社交不安障害(あがり症)克服の方法を医師が解説 人前で話すのが苦手な人の緊張の原因とは?
人前で話すときに緊張する、声が震えるなどの悩みを抱えている人も多いようです。一体なぜ、緊張してしまうのでしょうか? どうしたらあがらず、落ち着いて話せるのでしょうか? よりどころメンタルクリニック桜木町の斎藤先生に解決策を教えてもらいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
社交不安障害(あがり症)の診断基準とは? 人前で人一倍緊張して不安や震え・手汗が出るのはあがり症?
編集部: 人前で話すときに緊張して震えたり、手に汗をかいたりするのは病気でしょうか? 斎藤先生: そのような状態に悩まされる場合は「社交不安障害(あがり症)」の可能性があります。人前で話すときに緊張する人が必ずしも社交不安障害と診断されるわけではなく、一定の診断基準を満たした場合、社交不安障害と診断されます。 編集部: どのような基準が定められているのですか? 斎藤先生: 社交場面における強い不安や恐れが6か月以上続くと、社交不安障害と診断される場合があります。ただし実際には症状などの臨床的な評価が重要になります。 編集部: 社交不安障害になると、どのような症状が見られるのですか? 斎藤先生: 社交不安障害の症状は、他人と関わる場面や人と交流する状況で出現する強い緊張、不安、恐怖に特徴があります。 たとえば会議の場面、スピーチしなければならないとき、人前で話すとき、上司や得意先とのやり取り、たくさんの人が見ている前で食事するとき、人通りの多い場所に行くときなどに強い不安や緊張を感じます。 編集部: そのほかにはどのような症状があるのですか? 斎藤先生: 強い不安や緊張が動悸、冷や汗、息苦しさ、手足の震えや痺れ、吐き気、腹痛、下痢など自律神経症状をもたらすことがあります。
社交不安障害(あがり症)の人がスピーチなどで過剰に緊張してしまう原因とは? 交感神経が優位になっているから?
編集部: なぜ、そのように過度に緊張してしまうのでしょうか? 斎藤先生: 社交不安障害の原因をはっきり特定することは困難ですが、過去に失敗した経験が原因となっていることもあるようです。つまり以前、「人前でうまく話せなくて恥ずかしい経験をした」「失敗をした」ということが引き金となり、症状が出ていると考えられます。 編集部: 過去の失敗が引き金になっているのですね。どのような人に発症することが多いのですか? 斎藤先生: 特に社交不安障害は10代から20代の若い人に見られることが多いとされています。 編集部: 社交不安障害が自律神経症状を起こすこともあるとのことですが、それはなぜですか? 斎藤先生: 緊張すると自律神経のバランスが乱れ、交感神経が過剰に優位になります。社交不安障害の人は交感神経が非常に敏感であり、過度に活性するということも考えられます。