【Cycle*2024 パリ~ニース:プレビュー】まさしくツール・ド・フランスの前哨戦、五輪への敬意も表しつつ7月の四天王頂上決戦へ向けてログリッチとエヴェネプールが直接対決
地中海のほんの手前までたどり着く第6ステージのほうが、むしろ逃げ向きとの声が大きい。中盤に立て続けに襲いかかるる3つの中級山岳が、アタッカーたちを刺激するだろう。最終的な勝負を左右するのは、フィニッシュ手前約20kmの激坂コート・ド・ラ・コル・シュル・ルー(平均10%、最大19%)か、それとも直後の中間ポイント(12%)か。勝負の週末を前に、総合勢の殴り合いだって見られるかもしれない。 そしてプロトンはニースへと入場する。パリ五輪の影響で、シャンゼリゼフィニッシュが不可能になった今年のツール・ド・フランスが、史上初めて「パリ以外」の閉幕地として選んだのは、90年以上前から熱戦の最終章を受け入れてきたこの町だった。
ニースの裏山を駆け巡る2日間は、当然、ツールの下見も兼ねている。例えば第7ステージでは、ツール第20ステージに使用される1級コル・ド・ラ・コルミアーヌ(7.5km、7.1%)を通過する。近年すっかりパリ~ニースの常連峠となり、2020年にはツールでも使用された。2021年3月にはログリッチが……今は亡きジーノ・メーダーを退けこの山を制した。
ただツール第20ステージの最終峠麓までは行くけれど、この3月9日は、そこから別の山を目指す。ツール第19ステージ最終峠の登坂口であるイゾラさえ経由しつつ、最後はスキーリゾート地のオロンへ。全長7.3km、平均勾配7.2%の1級山岳は、正真正銘、大会初登場だ。
今シーズン初めて標高1500m超の山頂フィニッシュの終わりに、間違いなく、この春一番のクライマーが判明する。ボーラ・ハンスグローエ移籍後初レースのログリッチと、プロ入り後初めてフランス開催のステージレースに臨むエヴェネプールは、それぞれ思い通りの走りを見せているだろうか。
昨大会2位のダヴィド・ゴデュ、ジョアン・アルメイダ率いるUAE軍団、復調しつつあるエガン・ベルナルと若きカルロス・ロドリゲスを擁するイネオス・グレナディアーズ勢、さらにはフェリックス・ガルやサンティアゴ・ブイトラゴといったピュア山岳巧者等々、ライバルは少なくない。またたとえピュアスプリンターのコーイを連れてきたとは言っても、ヴィスマ・リースアバイクが、マッテオ・ヨルゲンソンとウィルコ・ケルデルマンとで成績を狙わないはずはない。
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