【Cycle*2024 パリ~ニース:プレビュー】まさしくツール・ド・フランスの前哨戦、五輪への敬意も表しつつ7月の四天王頂上決戦へ向けてログリッチとエヴェネプールが直接対決
1年前に大いに話題を呼んだ変則的チームタイムトライアルが、今年も第3ステージに帰ってくる。伝統的にTTTでは、チーム内で前から4番目ないし5番目にフィニッシュした選手のタイムが、チーム全体の記録として採用されてきた。しかし、昨大会に続き、今回もずばり「1番目」の選手のタイムで競われる。 単独でロングスプリントを打ったり(ポガチャル)、最後まで複数アシストにしっかり守られたり(ヴィンゲゴー)、さらにはTTスペシャリストとタンデム走行をしたり(ゴデュ)と、昨大会は総合系チームの戦術差が際立った。果たしてTT五輪金メダリストのログリッチやTT世界王者エヴェネプールの、作戦やいかに。
今大会はリベンジも2つ。第4ステージのフィニッシュ地、モン・ブルイィは2016年大会の大雪によるステージ中止を、第6ステージのラ・コル・シュル・ルーは、昨大会での強風による中止を受けての再訪となる。
地名のブルイィが示すとおり、4日目は美味しいボジョレーワインの産地を巡る。そしてボジョレーと言えば、自転車界では、アップダウンコースを意味する。短めの山岳が7つも詰め込まれ、どうやらうち6つが13%超の激坂ゾーンを隠し持つらしい。つまりはクラシック風味満載。リエージュ新旧覇者のエヴェネプールとログリッチも、きっと面白い動きを見せてくれるに違いない。
5日目は「移動ステージ」と呼ばれてはいるが、スプリンターと逃げの壮大な駆け引きに期待したい。前回パリ~ニースがシストロンにフィニッシュした2018年、似たようなコースプロファイルが採用され、4人の逃げのうち2人が数秒差で逃げ切った。
そのとき2位に泣いたニルス・ポリッツは、改めて今大会に乗り込む。かつてスプリンターを翻弄し、勝利をさらった経験のあるドリース・デボントやマチュー・ビュルゴドーもプロトン内に潜んでいる。昨ツールで劇的な大逃げ勝利を決めたヨン・イサギレとペリョ・ビルバオ、さらには勝てなかったけれど総合敢闘賞に輝いたヴィクトル・カンペナールツもやってくる。
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