Number_i、YOASOBIらのコーチェラ出演に見る、「日本の音楽」のポテンシャル
4月12日(現地時間)からアメリカ・カリフォルニア州インディオで開催されている音楽フェスティバル、Coachella Valley Music and Arts Festival(以下コーチェラ)。12~14日開催の第1週では例年よりも日本のアーティストの活躍が目立っており、結成から間もないNumber_iが出演を果たしたことでも大きな注目を集めた。 【写真】Number_i、YOASOBIら日本のアーティストの名場面 『スピッツ論―「分裂」するポップ・ミュージック』の著者で、国内外の幅広い音楽の動向をわかりやすく伝えるYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」の「しゅん」としても活動する批評家の伏見瞬さんに、第1週の日本のアーティストのステージを受けて感じたことを綴ってもらった。
衝撃だったNumber_iの出演
今年のコーチェラは、アジアの才能を世界に発信するアメリカ発音楽レーベル・88rising主催の「88rising Futures」ステージに、日本からYOASOBI、新しい学校のリーダーズ、Awich、そしてNumber_iが出演するということで、開催前から大きな話題となっていた。 韓国のTiger JK、Yoonmirae、中国のXin Liuと並んで、日本の多彩なアーティストが登場。2年前には宇多田ヒカルが同じく88risingのステージに出演したが、今年は計4組。しかも、ボカロ、ヒップホップ、アイドル、クラブカルチャーという、異なる出自のアーティストが一堂に会す。どのようなステージになるのか、期待が集まった。 なんといっても、Number_iの出演は衝撃だった。人気アイドルグループKing & Princeのメンバーとして活躍した3人が、TOBEからNumber_iとして再出発。デビューシングル「GOAT」を発表したのは今年の1月1日。まだ3カ月ほどしか経っていない。そのスピード感がまず驚異的である。 しかも、今まで日本の男性アイドルと海外のポップミュージックが交わることはほとんどなかった中でのコーチェラ出演だ。