【令和6年度請求スタート】年金が「月額5000円」上乗せされる⁉「年金生活者支援給付金制度」について詳しく解説
長引く物価高騰の影響により、家計が苦しいご家庭も少なくないでしょう。収入の限られる年金生活者世帯は特に影響が大きく、家計のやりくりに苦労している世帯も多いかもしれません。 「年金生活者支援給付金制度」は消費税率の引き上げ分を活用した制度で、公的年金などの収入やその他の所得が一定額以下の年金生活者を支援するための給付です。今回は令和6年度の請求もスタートした「年金生活者支援給付金制度」について、詳しく解説します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
「年金生活者支援給付金制度」とは?
年金生活者支援給付金制度とは、公的年金などの収入やその他の所得が一定基準額を下回る方の生活支援を目的に、年金に上乗せして給付金を支給する制度です。消費税を財源としており、消費税率が引き上げられた令和元年10月1日よりスタートしました。老齢・障害・遺族基礎年金を受給している方で、支給要件を満たしている場合に支給されます。 厚生労働省によれば、「老齢年金生活者支援給付金」の給付額は月額5310円を基準に算出した(1)と(2)の合計額です。 (1)保険料納付済期間に基づく額(月額)=5310円×保険料納付済期間/被保険者月数480月 (2)保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1333円×保険料免除期間/被保険者月数480月 例えば、次の条件に該当する場合、給付額は以下のようになります。 ●昭和31年4月2日以後生まれ ●納付済月数480ヶ月 ●全額免除月数0ヶ月 (1)5310円×480/480月=5310円 (2)1万1333円×0/480月=0円 給付額(月額):5310円+0円=5310円
「年金生活者支援給付金」の対象者
前述の通り、年金生活者支援給付金は老齢基礎年金受給者だけでなく、障害基礎年金や遺族基礎年金を受給している方も対象です。厚生労働省の「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」を基に支給要件をまとめると、表1のようになります。 表1
出典:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」を基に筆者作成 老齢年金生活者支援給付金の収入要件については、前年の公的年金収入やその他の所得の合計が表2の基準額を満たす必要があります。 表2