糸井はインパクトのある選手やった。阪神にも新陳代謝が起こっている。投手には将来有望株ぞろいも、他球団に比べ打者が育たないよな【岡田彰布のそらそうよ】
今季から延長復活で面白いシーズンになっている
トミー・ジョン手術から復帰した才木[写真]や西純、湯浅など真っすぐの強烈な投手陣が育ってきた阪神だけど、ほかの球団に比べて高卒の好打者が育ってないのが不思議なんよね[写真=牛島寿人]
あらためてスポーツ新聞の順位表を見返した。セとパ、ともに激戦が続く。パ・リーグは優勝争い、セ・リーグは3位争い。残りわずかになり、負けられぬ戦いが続く。 この順位表を見て、昨年との大きな違いがあった。昨シーズン、新型コロナ禍の影響で延長戦がなくなった。試合は9回打ち切り。となれば必然、引き分けが多くなる。ヤクルトの優勝も引き分けの多さによる数字のマジックだった。 ところが今年、延長が復活し12回までとなった。すると引き分け試合が極端に減った。すると、こんな現象が起きている。CS進出をかけたセの3球団。阪神、広島、巨人のここまで(9月15日現在)の引き分けがピタリ同じの3試合。これなら数字のマジックはない。場合によれば3チームの成績がまったく同じになる……なんてこともあり得る。それだけし烈な戦いになるということ。 そんな中、重要な直接対戦、阪神対広島戦(甲子園)が9月14、15日に行われ、結果1勝1敗。順位に変動がなかった。阪神はよく踏ん張った。1戦目に負け、2戦目も広島ペースで進みながら、何とか逆転し、投手陣を駆使して勝ち切った。この勝ちは大きい。この粘り、最後に生きるとオレは見ている。 その阪神で引退発表があった。糸井(糸井嘉男)である。本人はやり切った、と語っていたが、ファンの間では、まだやれる……という声も。ただ、長く一線で戦ってきたら、体はかなり痛みがあり、それも引退の要因だったのでは、と推察する。 糸井とは接点はないが、ホンマにいい選手が出てきたと感じていた。オレがオリックスの監督(2010~12年)のとき・・・
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週刊ベースボール