「狩猟もしてないし、野菜も育ててないよ」三上博史 今はひっそり山暮らしの理由
「とにかく、昔はいまよりもっとギラギラしていましたよ。30代のころは、『絶対、賞を取ってやる!』とか言ってたもん(笑)。でも、いまは全くそういう気持ちはない。精神的に自由になったといえばそうかもしれないけれど、感覚的な自由というよりも、求められるがままが楽しいって感じなんですよ。結局、何事も出会いだから、求めてもその通りにはいかないし、逆に思い通りにいかないことが面白いこともある。意外なところから思わぬものが飛んできて、それが楽しんですよ。だから、自分がこうなりたいとか、この場所に行きたいとか、あんまり考えない。40歳のときが、“仕事を辞めるつもりだった”なら、いまは、“辞めたつもりだった”というのか、そもそもやめるって宣言するものなのかもわからないし、その線引きがわからない。いまはそんな心境です」 「全く欲がなくなった」と言う三上に、実は、ヘドウィグの初演を観て感動して泣いたことを伝えると、「そういう反応がいっぱいあるのは嬉しい。それが欲といえば欲」だと返ってきた。 「人を揺さぶりたいというのはありますね。それが同じ役者だったら、反面教師でも、『こんなダサいことはしたくない』でもいいんですよ。それで、その人たちが自分とは違う道を見つけてくれればいい話で。でも、本気でやってますよ、っていうところは見せないと」 最後に、今回のステージを見る人にどういうメッセージを届けたいのかを聞いた。 「 “綺麗に生きよう”ってことを言いたいですね。綺麗に生きるってすごく難しい言葉だけど、僕はずっとそう考えていて、残りの人生は綺麗に生きたいと思っています。これ以上汚れたくないし、濁りたくないし。勝ち負けでもなく、そういう境地に達するのが理想です。そしてライブ終盤にはには、“大丈夫”というところを届けたいかなあ。それが5分ぐらい歌ったところで伝わるかはわからないけど、もういいじゃん! って、そんなに傷だらけにならなくていいんだよって言ってあげたい。人って、結構気づかずに二進も三進もいかなくなっちゃうことが多いからさ、とにかく大丈夫だからって、聞く人に寄り添えるライブにしたいと思っています」 (ヘアメーク:赤間賢次郎[KiKi inc.]/ スタイリング:勝見宜人[Koa Hole inc.]) ジャケット 88,000円 シャツ 44,000円 パンツ 44,000円 シューズ 71,500円 (すべて GALAABEND/3RDVISION)