【大学トレンド】東洋大が2科目で「学力判定型」の公募推薦を開始へ 専門家「多くの大学が追従する」
一般入試の「滑り止め」が必要ない
関西ではすでに定着している「ゼロ期入試」ですが、受験生にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。 「公募推薦は11月から12月に学力テストが実施され、年内に合否が発表されます。最大のメリットは、この公募制で合格すれば、2月の一般選抜で滑り止めを受ける必要がなくなるということです。第一志望に向けてしっかり準備できますし、受験スケジュールも組みやすくなります」(石原さん) ただし、入学申込金(入学金相当額)は年内に納めることになります。東洋大学の「学校推薦入試 基礎学力テスト型」の入試要項によると、スケジュールや試験内容は次の通りです。他大学を併願するなど入学辞退の可能性がある場合は「2段階入学手続き」を取り、入学手続きの締め切りは、私立大学の主要な入試が終わる時期の2月28日に設定できるようになっています。 東洋大学に続いて、25年度入試では、大東文化大学が東洋大学とほぼ同じ形式で導入します。出願期間は11月1日~11日、試験は11月24日に国語・英語の2教科で実施され、合格発表は12月2日、入学手続きは一次締切12月16日、二次締切2月28日です。 さらに、関東学院大学が総合型選抜で「基礎学力評価型」を導入します。試験は学部・学科により、国語・英語・数学の3教科、または国語・英語の2教科で実施され、書類選考や面接と合わせて合否を判定します。専願方式(10月20日試験、11月1日合格発表)と併願方式(12月8日試験、12月19日合格発表)があります。 共立女子大学も、25年度入試の総合型選抜で「基礎学力方式」を導入します。国語・英語・理科(家政学部食物栄養学科管理栄養士専攻、看護学部)・基礎デッサン(建築・デザイン学部)の基礎確認テストに書類審査で合否判定し、併願可能です。 関東の年内入試における教科学力判定型は今後、どうなっていくのでしょうか。石原さんはこう見ています。 「東洋大学は一般選抜でも受験者数が多い人気大学ですから、公募制には非常に多くの受験生が集まることが見込まれます。大東文化大学も2025年度から導入することを発表しましたが、駒澤大学、専修大学、大東亜帝国※と呼ばれるグループの大学なども追随するのではないでしょうか」 ※大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学