2024年版 カッコよくて実用的なステーションワゴン 10選 多用途に使える「合理的」な1台
9. アウディA6アバント
長所:高級感あるインテリア、経済性の高さ、快適な長距離クルーザー 短所:クラストップレベルに狭い室内空間、タイトな後部座席 アウディのA6アバントは、Eクラスの新しさや5シリーズのドライビングの楽しさには叶わないが、それでも多くの魅力がある。 欧州では4気筒ガソリン、ディーゼル、PHEVの各種パワートレインが用意され、ドライビング・ダイナミクスでBMWを追いかけるのではなく、機械的な洗練と快適性を重視している。 インテリアは広々としていて高級感があり、時間を忘れてくつろげる。マルチメディアの触覚フィードバックは不器用だが、反応は素早く、空調コントロールには個別のスクリーンが用意されているため比較的使いやすい。 実用性の面でも高く評価できる。トランクの開口部は適度に広く、565Lの容量がある。ルーフの角度によって背の高い荷物は積み込みづらいが、開口部に厄介な敷居がないため重い荷物を運ぶのには便利だ。40:20:40分割可倒式リアシートを折りたためば、1680Lに拡大される。 速く走りたければ、高性能のRS6アバントがある。欧州仕様のS6アバントはV6ディーゼルを搭載する “変わり者” だが、RSのV8ガソリンは素晴らしいパワートレインであり、M5ツーリングやE 63ステーションワゴンのような複雑なハイブリッドシステムもない。 RS6アバントはダイナミクスも優れ、アウディ史上最高の速さを誇る。BMWのMモデルのような派手さはないが、リアバイアスとよく調整された四輪操舵(4WS)システムと相まって、十分な安定感があり、楽しませてくれる。
10. ジェネシスG70シューティングブレイク
長所:個性的なエクステリア、魅力的なインテリア、日常での多用途性 短所:セダンタイプよりうるさい、高速走行時にトランスミッションが苦戦する、4気筒エンジンは平凡 高級車ブランドの新参者であるジェネシスは、いま本気で欧州市場に目を向けている。その証拠となる1台がG70シューティングブレイクだ。グローバル向けというよりも、欧州に焦点を当てて開発されている。 シューティングブレイクという名の通り、実用重視のステーションワゴンというよりは見た目を重視したデザインだが、トランク容量も465Lと決して粗末なものではなく、最大1535Lまで拡大できる。後部座席はやや窮屈だが、それ以外は広々としていて、装備も充実し、高級感がある。 欧州ユーザーの嗜好に合わせて、サスペンションにも多くの努力が注がれている。G70セダンよりも足取りがしっかりしていてコントロール性が高く、ステアリングも正確で、アグレッシブに走らせてもバランスよく弾けるような感覚がある。 しかし、エンジンには難点がある。4気筒のディーゼルとガソリンはいずれも力強いが、燃費は期待されるほどではなく、洗練性もライバルに及ばない。それでも、個性あふれる選択肢として一見の価値がある。
執筆 AUTOCAR JAPAN編集部