2024年版 カッコよくて実用的なステーションワゴン 10選 多用途に使える「合理的」な1台
7. フォード・フォーカス・エステート
長所:軽快で遊び心のあるシャシー、楽しいドライブライン 短所:高速道路での経済性が低い、地味で安っぽいインテリア 日本では馴染が薄いかもしれないが、何十年もの間、フォードの中型車(エスコート、フォーカス)はファミリーカーとして「定番」の地位を築いてきた。しかしSUVの台頭により、フォーカスは疎外されつつあり、2025年の生産終了後は後継車の計画もない。 正直、弊誌はフォーカスをかなり気に入っている。プジョー308 SWのようなプレミアム感はないが、ドライビングやクルマを操ることが好きな人にとっては数少ない選択肢の1つとなるだろう。 フォーカスはマイルドハイブリッドの1.0L 3気筒エンジンを搭載し、仕様によって6速MT付きの最高出力125psと、7速DCT付き155psのバージョンがある。 どちらも優れているが、弊誌は安価なMTにこだわりたい。高性能というわけではないが、とてもナチュラルで満足のいくドライビング体験を提供してくれる。また、長期テスト車として155psのDCTを走らせたところ、平均燃費24.6km/lを記録し、マイルドハイブリッドのガソリン車としてはかなり印象的だった。 最近の改良では、巨大なマルチメディア・スクリーンが導入された。残念ながら物理的な空調コントロールは廃止されてしまったが、実を言うと、機能性は十分高い。 フォーカス・エステートは実用的でもあり、外見上の威圧感はない。トランク容量は608Lで、後部座席をフラットに折りたたむと1653Lになる。単に大きいだけでなく、脱着が簡単なカバーなどの実用的な機能もある。 ホットハッチがお望みなら、最高出力280psのフォーカスSTも用意されている。
8. トヨタ・カローラ・ツーリング
長所:優れた経済性、驚くほど優秀なハンドリング、快適な乗り心地 短所:「マニュアルモード」は形だけ、内装材の質感が残念、貧弱なインフォテインメント かつてトヨタ・カローラは、単調な移動手段の代名詞的存在だった。耐久性と信頼性に優れているが、平坦で魅力に乏しいクルマだった。しかし、第12世代の現行型は、これまでの長所をすべて備えつつ、スタイルと走りの魅力度が大幅にアップしている。 TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)により上質な乗り心地とハンドリングのバランスに恵まれ、走りが楽しい、快適かつ洗練されたクルマに仕上がっている。 パワートレインはハイブリッドのみの設定だが、欧州では1.8Lと2.0Lを選べる。1.8Lハイブリッドは2023年の改良で最高出力140psにパワーアップし、十分なパフォーマンスを備えている。2.0Lハイブリッドは最高出力195psとさらにパワフルで、軽快な走りが楽しめる。 性能重視のマシンではないが、いずれも経済性は良好だ。その点、1.8Lは交通量の多い一般道では驚くほど低燃費だが、高速道路での移動が多いなら2.0Lの方がいいかもしれない。 インテリアは高級と言える水準には達しておらず、インフォテインメント・システムも精彩を欠いているが、適度な広さがあり、タフに作られている。トランクも広く、低いフロア高と適切な荷室形状を特徴としている。 なお、1.8Lハイブリッドのトランク容量は696Lだが、2.0Lハイブリッドではバッテリー配置の影響で581Lとなっている。1.8Lの方が広くて実用的、かつ経済的なのだ。いずれにせよ、現代のカローラはさまざまな魅力を備えている。