荀彧・郭嘉・司馬懿・周瑜・魯粛・諸葛亮、天才6人がバトルしたらどうなる?
■ では結局は、最後に誰が一番強いのか? 郭嘉はその性格上、自己の安全を完全に確保できれば、どこかの陣営に合流することを選んだと思われます。その陣営は、荀彧側か周瑜側ですが、荀彧側であればそのまま戦闘指揮官を、周瑜側に合流すれば政治改革と軍事指揮の両方を担ったと思われます。 優秀な人材の確保という点で、郭嘉が周瑜側についた場合に、荀彧側との差がどんどん広がっていくことを、郭嘉は必ず気が付いたと思われるからです。 この頃までに、魯粛はどちらかの陣営に所属していたと思いますが、諸葛亮の陣営にもし所属すれば、諸葛亮の弱点であった優秀な人材確保などの問題を解決して、第2勢力として面白い展開を生み出した可能性もあるでしょう。 荀彧側は、周瑜の軍事指揮の能力などを見て、支配地域から軍事的才覚のある人材を見出すと同時に、軍事的な訓練を精密に行える組織を創り上げ、時間の経過とともに周瑜勢力が対抗できない軍事大国を育んでいくと思われます。 そのため、リーダーが荀彧の倫理観や悪行の概念に抵触しないかぎり、荀彧の勢力が最終的には大陸の勝者になったと思われます。 最後に、司馬懿はそのころには荀彧側の勢力の内部に入り込み、荀彧とそのリーダーの寿命と、自らの寿命を比較しながら謀略を練っているはずです。一方で、荀彧とリーダーの眼の黒いうちは、思い切り猫をかぶっていることも間違いないでしょう。 司馬懿は、自分の寿命と比較して優秀なリーダーが長生きしそうなら、絶対にばれない形で暗殺を企てた可能性があります。次の世代のリーダー(つまり創業者の息子)がぼんくらなら、そのほうが乗っ取りの可能性が高まるからです。 荀彧と周瑜陣営の対立では、誰が周瑜の右腕になるかで大きく展開が変わります。もし、郭嘉が周瑜陣営に加われば、均衡は長期間イーブンで維持された可能性があります。逆に、郭嘉が荀彧陣営に属して存命なら、周瑜陣営は時間とともに身動きがとれなくなるでしょう。 そうなると、周瑜は打開策として、諸葛亮の陣営に頭を下げて同盟関係になってもらうことを依頼する可能性が出てきます。その時点で魯粛がどちらの陣営にいるかでも、周瑜と諸葛亮の力関係は大きく変わりますが、誰がNo.2になるかでもめるかもしれません。 結論として、最後の1強は荀彧の勢力となりますが、周瑜が他の天才軍師を何人自陣営に巻き込めるかで、趨勢は変わっていく、ということになりそうです。周瑜が、郭嘉・魯粛・諸葛亮の3名を自らの陣営に取り込めた場合のみ、周瑜が天下を取る可能性が出てくるというのが、今回のドリームマッチの最終考察となります。 司馬懿は、2大勢力が本当に均衡した場合のみ、自分がどれほど怪しまれずに内部で成長できるかを吟味して、取り入る側を決めるのかもしれませんね。しかし、リスクという点では周瑜の陣営のほうが高いはずで(危険な戦闘任務が増える)、荀彧側に入るのが妥当だと思われます。
鈴木 博毅