荀彧・郭嘉・司馬懿・周瑜・魯粛・諸葛亮、天才6人がバトルしたらどうなる?
■ 大局的な流れを読む天才、荀彧の動きと決断 大局的な流れを読み、物事の帰結を想定して策を組む荀彧。乱戦バトルにおいて、彼はどのように戦略眼を働かせて、動くのでしょうか。まず、6人の天才の動向とともに、他に軍事的なリーダーがいるならば、彼らの出自と思想を確認して、正当性の高いものを選びます。 同盟関係もしくは臣従するリーダーを見つけるのと並行して、この時代の文化の中心、そして優れた人材を多数輩出する都市を押さえる形で勢力構成を組み立てて動くでしょう。乱世を収めるほどの騒乱では、最終的に優秀な人材を多数活用できる側が勝つからです。 現代の米国のベンチャー企業が、米国内の超一流大学のそばに本社を設置することに似ています。飛びぬけて優秀な人材を集め、学ばせて輩出し続ける一流大学の近くにあれば、それだけ継続的に優秀な人材を獲得する確率が高まります。 文化と人材の中心都市を押さえた荀彧の勢力は、時間の経過とともに乱戦の中心的存在になっていきます。中心都市で創造される文化を取り込み発信しながら、優秀な人材を発見してその能力を最大限発揮させていく。時間と共に、荀彧陣営の求心力は急激に高まります。 ■ 後発で力を発揮する、魯粛と諸葛亮の戦い方 魯粛と諸葛亮についてはどうでしょうか。この2人は、後発で成功を収める軍師だと思われますが、魯粛の場合、自分が想定できる最高のイノベーション計画を持ち込んで、その案を高く評価して、実行担当にさせてくれる陣営を選ぶでしょう。 荀彧の陣営に取り入れられる場合、文化と人材の第2都市のことを提案する可能性もありますし、郭嘉陣営なら防衛力強化、周瑜陣営なら攻略が容易で第一勢力になれるような意外な場所の提案をするかもしれません。 いずれにしろ、魯粛は転換点を自分で生み出す策略を作りながらも、その採用者を探して急進勢力のリーダーたちと交渉と提案を重ねていくのではないでしょうか。その結果、みごと交渉が成功した先に参加して、実行のキーパーソンになっていく。 諸葛亮は、先に成功を収めた主流派に属することをよしとせず、主流派のカウンター勢力となれるようなリーダーを探しながら、主流派とは異なる勢力の糾合を目指すでしょう。結果的に、諸葛亮の育てていく勢力は、中心都市を外れた周辺領域の最大勢力となると思われます(荀彧の勢力が、文化・人材の中心都市を先に押さえるため)。 なぜ諸葛亮は、主流派の対抗勢力になることを選ぶのか。彼は天才を自認し、その才覚と頭脳はそれに相応しいレベルにありました。その諸葛亮にとって主流派に合流して有利な状勢で勝つことは、簡単すぎる問題を解くようなもので、つまらないのです。天才ほど、難しい問題が面白いのと同じです。