イギリス財務省、分散型台帳技術を使用したデジタル国債の試験運用を計画
イギリス財務省は11月14日の声明で、分散型台帳技術(DLT)を活用してデジタルギルト証券を発行するパイロットプログラムを開始すると発表した。ギルト証券とはイギリスが発行する国債のことだ。 レイチェル・リーブス(Rachel Reeves)財務大臣は、14日に初めてのマンションハウス・スピーチ(財務大臣がロンドン市長公邸で経済状態を説明する演説)で、金融サービス分野の規制体系を抜本的に見直すと述べた。ロイターによると、リーブス氏は、イギリスの金融サービスの潜在的な成長力を最大限発揮させるために、資本市場とフィンテック、持続可能性ファイナンス、資産管理・ホールセールサービス、保険・再保険という5つの分野で具体的な成長戦略を提示していくことを明らかにした。 マンションハウス・スピーチは、財務大臣が長期的なビジョンを提示する年1回の機会だ。労働党は7月に政権を握ったが、それ以来、暗号資産についての計画はほとんど語っていない。イギリス財務省の声明は、暗号資産に寛容なドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の当選を受けて、革新を推進する姿勢であることを示して企業を安心させることを目的としているようだ。 「イギリス政府は、分散型台帳技術(DLT)を使用したデジタルギルト証券のパイロット版を導入し、金融サービス分野におけるイノベーションに対する政府の取り組みを実証する」と財務省は声明で述べた。DLTは、各ノードでデータを保持および更新できる暗号資産を支える技術だ。 財務省の経済長官チューリップ・シディク(Tulip Siddiq)氏は、まもなく暗号資産部門に関する計画を発表する予定だと述べている。ブルームバーグ(Bloomberg)は、労働党は以前の与党である保守党の路線を踏襲し、ステーブルコインとステーキングに関する法案を提出する可能性が高いと報じている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:2024年10月30日、予算案提出を前に官邸前でポーズを取るイギリスのレイチェル・リーブス財務大臣。(Shutterstock)|原文:UK Government Plans Pilot for a Digital Gilt Instrument Using Distributed Ledger Technology
CoinDesk Japan 編集部