【ニューイヤー駅伝】現役五輪選手3人擁するHondaがV奪還に意欲!前回の2、3区距離変更でレース戦略に変化
そのチームが今回、「過去一番厳しい」(小川監督)というメンバー争いになっている。主要区間候補の小山、伊藤、青木のメンバー入りは確実だが、それ以外の選手は最後まで状態を見て起用される。ここまで名前が挙がった中山、森以外にも、マラソンで活躍する足羽純実(29)、優勝メンバーだった川瀬翔矢(26)、新人の中野翔太(23)と久保田徹(23)がメンバー候補。 足羽は2時間07分54秒を持つマラソンで安定した戦績を残しているが、12月の甲佐10マイルで46分35秒の5位、小山にも10秒と迫った。中野は9月の全日本実業団陸上1500mで優勝し、チームスタッフを驚かせた。久保田は東日本実業団駅伝では最長区間の3区を任され、区間2位と好走した。 Hondaは以前、マラソン日本記録保持者だった設楽悠太(33、現西鉄)が絶対的なエースで、当時の最長区間だった4区で区間賞を何度も獲得した。しかし入社1年目に設楽とタスキをつないだ中山は、「メンバーは7人ぎりぎりだった」と感じていた。それが今は「7人目の争いが厳しくなっています。補欠候補の2~3人も含め、誰が走ってもいい」と話す状況にまでなっている。 森と中野は中大の後輩に当たるが、自分が何かをアドバイスしているわけではないという。「Hondaはトラックでもマラソンでも、身近なところにトップ選手がいます。そういった先輩選手に接したり、観察したりして、日々何かを吸収できる。どの種目でも強くなれるんです。森も伊藤の背中を追って、練習で切磋琢磨して日本選手権2位まで成長しました」 小山、青木、伊藤の代表経験選手たちの調子が少しでも落ちれば、メンバー争いを勝ち抜いた選手が3区や5区に出場する可能性もある。後半区間は誰が走っても区間賞候補だ。今回のHondaは、前回までの後半での逆転を想定した区間配置ではなく、前半で確実にトップ争いをする狙いで選手起用をする。だがトップに立つのは、初優勝時と同じように選手層の厚さが現れる後半区間になるかもしれない。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター) *写真は左から、伊藤達彦選手、小山直城選手、青木涼真選手
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