26年で2000軒!「隣の晩ごはん」ヨネスケさんが今だから明かせる「最もつらかった晩ごはん」
「突撃」するベストなタイミング!
決まっていたのは、番組で訪問するエリアや地域だけ。訪問する家庭は当然、その場で選ばれた。 ヨネスケ「収録に行くとまずロケハンをするんです。八百屋さんや魚屋さんなど地元の人に『このへんで面白い奥さんいませんかね』って聞いて、情報収集していました。お願いできそうな家を選ぶポイントは一つは、ベランダにおむつが干してあったり、庭に子ども用の自転車がバーンと投げてある家です。そこはOKになる可能性が高かった。 お子さんがいる家庭は意外と許可が取れやすかったんです。ただね、お子さんがいてもきちんと自転車が並んで止めてある家は断られる(笑)」 「突撃」の成功率が高かったのは、意外にも大雑把にしているお宅だったそう。 ヨネスケ「おおらか、というんでしょうね。細かいことは気にせず『どうぞ、どうぞ』と入れてくれましたね。入れてくれる家、ダメな家の見極めはロケを重ねるごとに徐々にわかってくるようになったんです」 そしてもう一つ、忘れてはいけない重要な点があった。番組の「肝」と言える食事の時間を逃さないことだ。 ヨネスケ「漁師、農家、サラリーマン…職業によって食事の時間は違うんです。そして季節や地域でも異なりました。 例えば漁師町の場合、漁師さんの晩ご飯は早い時間。農家は季節によって変わります。冬場は日の入りが早いので5時か6時。夏は日が長いので7時か8時ごろ。北海道では日が沈むのが早いため、『早めに現場に入ろうかな』。南は日が長いから『遅い時間でもいい』とか。 肝心の晩ご飯を取り逃さないためにも現場に入る時間は大切でした。長く続けていると経験則でそのタイミングも見極められるようになりました」 早すぎても調理中、反対に遅すぎると今度は食べ終わってしまう。「突撃」するベストなタイミングをつかむためにはキッチンの換気扇から漂うにおいも重要な手がかりになっていた。 そしてインターホンを鳴らすのもヨネスケさんの仕事だ。訪問先が承諾してくれると、家の中に上がり込み、晩ご飯の風景と家族の様子を撮影する。 晩ご飯の取材に入る前、ヨネスケさんには必ず行うことがあった。 ヨネスケ「仏壇があれば必ず手を合わせていましたね。手を合わせることは御先祖様にご挨拶をするということ。やっぱりそのお宅にお邪魔するので、礼儀が必要ですからね」