【目利きが選ぶフランス映画】イラストで解説!こびない女性の生き方を教えてくれる3本
秋の夜長のアンニュイな時期。夜更かしして、フランス映画を観ませんか?フランス映画には、恋、おしゃれ、アート、濃密な人間関係…人生で大事なことが全部が詰まっている。自分らしさを大事に、オープンに表現している女性たち。そのスピリットが伝わってくる3本をイラストレーターの佐伯ゆう子さんがイラストで紹介します。 【画像一覧を見る】
cinema1/『レネットとミラベル/四つの冒険』 『海辺のポーリーヌ』『緑の光線』など、フランスの若い女性たちの憂いや喜びを独特のタッチで描き、多くの支持を得ているエリック・ロメールの代表作のひとつ。自転車のパンクをきっかけに知り合った対照的な二人の若い女性、レネットとミラベル。二人が体験する不思議な出来事を4つのエピソードでつづった短編オムニバス映画。主演のレネット役、ジョエル・ミケルの体験談に着想を得て企画されたそう。ミラベル役はジェシカ・フォード。1986年製作。
cinema2/『5時から7時までのクレオ』 本作のほかにも『幸福』『歌う女・歌わない女』などの作品で知られるフランス映画界を代表する女性監督アニエス・ヴァルダ。パリで売り出し中のシンガーであるクレオのたった2時間弱のパリでの彷徨をドキュメンタリーのようなタッチで描く。「造られた自分の蚊帳に閉じこもっていたクレオが外の世界に飛び出し、真実を受け入れていく姿に強さを感じました」と佐伯さん。主演、コリーヌ・マルシャン、音楽はミシェル・ルグラン。1961年製作。
cinema3/『落下の解剖学』 カンヌ国際映画祭で最高賞、アカデミー賞では脚本賞に輝いた話題作。雪山の山荘で転落死した男。嫌疑は男の妻である人気小説家にかかる。唯一の証人は視覚障害をもつ11歳の息子だが……。「女性と男性のパワーバランスが異なる、新しい視点の作品。リアルな演出で観る人の気持ちによって解釈が違ってくるのも面白いです」。ジュスティーヌ・トリエ監督、小説家にザンドラ・ヒュラー、2023年製作。DVDおよびBlu-rayが『ギャガ』より9月4日発売。