名酒発掘に努める「地酒の達人」 利き酒勧める八尾の酒店店主、三井聖吉さん/大阪
「この料理に合うお酒をください」
利き酒の表情は真剣そのものだが、「一部ではありますが、若い人たちの間でも、酒の良し悪しを見究められる人が増えてきました」と語るときには、笑みが浮かぶ。 食い倒れのまち・大阪。賢い消費者が料理人たちを育ててほしいと訴える。「この料理に合うお酒をくださいと頼んでみる。どんな酒が出てくるかで、酒に対する料理人の意欲や理解力が分かります。満足できたら、『美味しかった。また来ます』と、ほめてやってください。次はもっといい酒が出てきます」(三井さん) 猪口一杯の酒から、この国の未来のかたちにまで思いを巡らす。「ほどほどでいいですから、皆さんが本物のお酒を楽しむと、米作りが盛んになって地方に活気が戻り、本物を大切にする社会へ近づく好循環が生まれます」(三井さん) 日本酒再発見の秋もいいかもしれない。 通常営業は午前10時~午後7時30分。詳しくは三井酒店(072・922・3875)まで。 (文責 岡村雅之/関西ライター名鑑)