【中日新聞杯】デシエルト待望の重賞初V 逃亡劇完遂のベテラン岩田康誠が指摘した〝勝因〟と〝課題〟
[GⅢ中日新聞杯=2024年12月7日(土曜)3歳上、中京競馬場・芝2000メートル] 7日、中京競馬場で行われた第60回中日新聞杯は、岩田康騎乗で3番人気、ハンデ58キロのデシエルト(牡5・安田)が前走のアンドロメダSに続いて逃げ切り、重賞初勝利を飾った。鞍上の岩田康はこの日3勝の固め勝ちで、50歳のベテランが大活躍。レースを検証しつつ、同馬の可能性を探った。 前半1000メートル通過は58秒8。前走のアンドロメダSよりも速いペースながら、鞍上がなだめるのに苦労するくらいの行きっぷりでグングンと加速した。58キロを背負ってこのペースの逃げを打てば普通は最後に苦しくなるところだが、ラスト3ハロン11・7―11・8―12・1秒でまとめて、2着ロードデルレイに2馬身差をつけての完勝だった。 「まずまずのペースで行ってコントロールが利かなかったけど、今日は馬場も味方してくれた。パワーが出てきたので1~2角で物見をしてくれたらもう少し楽なんだけどね。スタッフがしっかりつくってくれて勝てたと思う」と岩田康は決して上手に乗れなかった中でも勝ち切った点を評価する。また、安田調教師も「前走を使ってさらに前進気勢が強くなっていました。今回こういう形につながったと思う。エキサイトしてスタートを迎えたので、そのあたりは適度に燃えさせていく調整を牧場と連係して進めていきたい」と口元を引き締めて気性のコントロールを課題に挙げた。 この日は内が止まらない馬場の恩恵を受けたのも勝因の一つだが、3歳時には皐月賞トライアルの若葉Sを逃げ切り、秋にはダートに転じてグリーンチャンネルC(東京ダート1600メートル)を1分33秒5の好時計で勝つなど、能力の高さは疑いようがない。今回は同じハンデ戦で行われた前走のアンドロメダSを再現するワンツーだったが、前回ロードより0・5キロ軽かったハンデは今回逆に0・5キロ重いものに。それでこの完勝なのだから、3歳時の輝きを取り戻した印象はある。陣営が意図する我慢の利いた大人の走りができるようになれば、さらに上のステージでも好勝負ができそうだ。
東スポ競馬編集部