築40年の持ち家に住んでいますが、収入がありません…「生活保護」を受けるには家を手放さないといけないでしょうか?
生活保護は、経済的に困窮している人が最低限度の生活を送れるようにするための制度ですが、制度を利用するにはさまざまな要件があります。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの? なんらかの事情により収入がなくなり、生活保護の受給を検討するにあたって「持ち家は資産にあたるため、生活保護が受けられないのでは?」と、不安に思われる人もいるのではないでしょうか。 本記事では、持ち家を所有している場合の生活保護申請について、詳しくご紹介します。
生活保護が受給できる条件とは?
生活保護の受給対象になるには、売却して生活費に充てられる財産を所有していないことや、年金や手当など、ほかに利用できる制度がないことなどが条件です。 また、働ける場合は能力に応じて働く必要があり、親族から援助を受けられる場合は受けることも条件に含まれています。こうした条件をすべて満たしてもなお、収入が最低生活費を下回っている場合に、生活保護の対象になる可能性があるでしょう。 最低生活費とは、厚生労働大臣が定める基準で計算される「最低限度の生活に必要な費用」のことで、住んでいる地域や家族の人数などによって異なります。
持ち家があったら生活保護は受けられないのか?
生活保護を受けるための条件の一つに「財産を所有している場合は売却する」とあります。 これは「所有している財産を売却したお金を生活費に充てることで、生活を立て直せる可能性があるのではないか」という考えによるものです。 持ち家は売却してお金に換えられる可能性があるため、生活保護を受ける前に、まず売却を検討する必要があります。そのため原則としては、持ち家を所有している場合は、生活保護を受けることは難しいと考えられるでしょう。
持ち家があっても生活保護を受けられる場合とは?
しかし場合によっては、売却して住む家がなくなると、さらに生活に困窮することになってしまうでしょう。そこで、厚生労働省は「被保護世帯が居住用に使用している不動産については保有を容認し、保護を適用する」としています。 ただし、資産価値の高い家だと「このまま住み続けるよりも売却したほうがよい」と判断されることもあります。この場合、売却による資産の活用をしたうえで、保護の要否が判断されることになるでしょう。 逆にいえば、売却してもあまり大きな金額にならない場合は、保有したまま生活保護を受けることが認められる可能性があります。