【高校野球】「すべての面でレベルアップする」 決勝でリードを守り切れなかった早実・中村心大
寒さを言い訳にせず
【11月7日】秋季東京大会決勝 二松学舎大付高6x-5早実(延長12回) 早実の左腕エース・中村心大は今夏、2年生エースとして甲子園2勝を挙げ、16強進出の原動力となった。大社高との3回戦で敗退後、秋の新チームからは主将に就任した。早実は1回戦から5試合を勝ち上がったが、二松学舎大付高との決勝で敗退している。 中村は立ち上がりから制球に苦しみ、5対4とされた7回で降板。137球の力投だった。後続2投手も粘ったが12回裏、8回途中から救援した田中孝太郎(1年)が力尽きた。 7回でエースを交代させた理由を、早実・和泉実監督は試合後にこう明かした。 「気温が低く、寒かったですし、もともと肘を故障したこともある投手です(今春の都大会は未登板)。捕手の山中(晴翔)からも『痛そうにしています』と報告がありました。重たい感じがする程度で、本人に確認しても『行けます』と言いますが、ここで無理をさせるわけにはいかなかった。続投して中村が決勝点を奪われるよりも、残りの投手もなかなかこういう機会もないので、行かせました」 中村は中盤までのリードを守り切れず、6、7回に失点したことを反省点に挙げた。「自分のせいで負けた」と責任を背負った。左肘の状態については「痛いとかは……自分の体は問題ない。イニングを重ねるごとに、自分の投げる球がなくなった。この秋を通じて、ゲーム中に立て直す力に手応えをつかみましたが、今日は自分のせいで負けた。自分のピッチングができませんでした」。 この日は16時32分開始。イニングを積み重ねるごとに強風で、寒さも増していった。背番号1を背負う以上、言い訳は一切しない。 「たくさんの応援、熱い雰囲気でやれたので、寒いとかは気にせずにやれました」 この一冬、個人としてのテーマは明確だ。 「自分の制球力が課題として出た。まだ球も弱い。すべて一から見直すつもりで、体も一から鍛える。すべての面でレベルアップする」 新チーム以降、主将としてけん引してきた。自己評価をしてもらうと、厳しい言葉が出た。 「ずっと、優勝を目標としてきたので、準優勝も1回戦敗退も変わらないです。もう一度、チーム内で話し合って、この先どうするのか、夏に向けて進んでいきたい。和泉監督も言っていましたが『前を向くしかない』」