【楽天】来年新加入の選手たちが明治神宮大会で躍動…ドラフト2位の環太平洋大・徳山一翔投手は早大戦で10回1失点
来年からプロ野球・楽天に加わる選手たちが、明治神宮大会で奮闘を見せた。ドラフト2位の環太平洋大・徳山一翔投手(4年)は、早大との準々決勝(23日、2〇1)で10回1失点完投など力投を見せ4強進出に貢献。同5位の早大・吉納翼外野手(4年)は徳山との直接対決で1安打を放つも試合には敗れ、プロでの飛躍を誓った。若き2人が全国舞台の経験を糧に、杜の都で躍動する。 **** 東京六大学王者相手に圧巻の投球を見せた。早大との準々決勝で135球の熱投。5安打に抑え、タイブレーク方式の延長10回も最少失点でしのいで、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。終盤は両足のふくらはぎをつりながら力投し「直球で押せて、(直球が)頭にあるタイミングで変化球もうまく使い、的を絞らせずに投げられた」と胸を張った。吉納には第1打席こそ安打を許したが、第4、5打席は見逃し三振を奪うなど封じ込んだ。 今大会は1回戦・名城大戦で5回から登板し、4回を1安打無失点。早大戦ではスライダーやカーブなど、精度の高い変化球を決め球に10三振を奪った。高校時は一塁手兼任で、投手一本になったのは大学入学後。“経験”がまだ浅いだけに、野村昭彦監督は「彼はまだまだ発展途上。良くなっていくんじゃないかと思う」と期待をかけた。 24日の準決勝・創価大戦は前日の疲労を考慮して登板なし。試合は8―12で敗れた。4年間を振り返り、「楽しいことばかりではなくて苦しいこともあったけど、同期の皆とここまでこれて良かった」と話した徳山。次はプロのマウンドで快投する姿を見せる。 ◆徳山 一翔(とくやま・かずと)2002年4月11日、徳島県生まれ。22歳。海陽中では軟式野球部に所属。鳴門渦潮では一塁手兼投手。環太平洋大では1年春からリーグ戦ベンチ入り。3年時に全日本大学野球選手権出場、明治神宮大会は2年時から3年連続出場。177センチ、87キロ。左投左打。 早大・吉納にとっては悔しさの残る大学最終戦となった。準々決勝では延長タイブレークの末、環太平洋大にサヨナラ負け。まさかの初戦敗退に「自分を含めて(野手が)打てなかった」と唇をかんだ。 相手投手は来年からチームメートになる本格派左腕・徳山。第1打席に左翼線を破る二塁打を放ったがその後は快音が響かず、5打数1安打3三振と抑えられた。夏場にオープン戦で対決しており、「いい投手とは元々分かっていた。それでも結果を出していくのが高いレベルでやっていく上で大切なことだけど、うまく対応できなかった」と振り返った。 リーグ戦通算13本塁打を誇る長打力が最大の魅力だ。楽天の外野陣はプレミア12日本代表の辰己涼介(27)や、今季12球団で唯一の全試合フルイニング出場を果たした小郷裕哉(28)らレベルが高いが、強打でアピールしていく構えだ。 プロに向けて「広角に長打を打てるところを見てほしい。頼りがいのある選手になりたいし、吉納だったら大丈夫だなと思ってもらえるような選手になりたい」と語った吉納。来年からは楽天モバイルパーク宮城で、外野の頭を越すような打球を何本も放ってチームの力になる。 ◆吉納 翼(よしのう・つばさ)2002年8月16日、愛知県生まれ。22歳。松原中では名古屋富士ボーイズでプレー。東邦では2年春のセンバツ優勝メンバー。早大に進み、4年時リーグ戦春秋連覇を達成。今年、大学日本代表に選出。180センチ、87キロ。右投左打。
報知新聞社