加西特産「ハボタン」の出荷大詰め 多彩な品種、全国の市場に
兵庫県加西市の特産、ハボタンの出荷が大詰めを迎えている。正月だけでなくクリスマスの飾りとしても人気があり、アンティークな色調の「萌花(もか)シリーズ」や葉に光沢のある「光子(みつこ)シリーズ」など多彩な品種が全国の市場に卸されている。 【写真】全シニアの憧れ 90歳を迎える女優草笛光子さんのファッションビジュアルが話題 同市の生産量は県内トップで、農家8軒が年間60万ポット以上を出荷する。自ら開発したオリジナル品種を育成する農家もあり、他産地では見られないバラエティーに富んだ品種が生産されている。 同市河内町の高見大樹さん(43)、千里さん(44)夫婦が経営する「けやき園芸」では、高さ約10センチと小ぶりな「ルシールワイン」や葉が細く鋭い「フェザーホワイト」など8品種2万5千鉢を栽培。畑では、中心が淡い紫や透明感がある白に色づいた株がずらりと並ぶ。 今年は残暑が厳しく、例年より1カ月ほど着色が遅れた。年々強まる猛暑に備え、以前から着色が早い新品種を取り入れているが、「10月下旬までは緑一色だった」と振り返る。 約15年前にハボタン栽培を始めたという高見さん。「近隣に複数の農家があり意見交換ができる。新品種の栽培でも多くの経験を共有できる」と産地の強みを実感している。(敏蔭潤子)