ガザで支援の車両空爆 ハマス、トランプ氏に助け求める人質動画公開
パレスチナ自治区ガザへの支援をめぐり、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は1日、主要な物資搬入口となっているケレムシャローム検問所を通る人道支援を一時停止している、と発表した。ガザで極端に物資が不足して略奪が相次ぎ、搬入用トラックの安全が確保できないためという。 【解説画像】長期化のシリア内戦に動き いつ、なぜ始まった? ラザリーニ氏は声明で「援助する人や物資を守る責任は、占領国のイスラエルにある」と指摘。「(イスラエルは)ガザに援助が安全に届くように保証し、人道支援を担う人への攻撃をやめなければならない」と訴えた。 一方、イスラエル軍は11月30日、昨年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの越境攻撃に加わったとして、ガザで食料支援をする国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン」(WCK)の職員を空爆で殺害したと発表した。WCKも同日、車両が空爆を受け、活動を一時停止したと明らかにした。 WCKは声明で「詳細を調べている」と説明し、昨年10月の攻撃に関与した人物がいたかどうかについては情報がないとしている。WCKは今年4月にもガザで活動していた英国籍の職員ら7人がイスラエル軍の空爆で殺害されており、国際社会からはイスラエルに対する非難が相次いでいた。 また、国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」も30日、イスラエル軍の空爆で職員1人が死亡したと発表した。インゲル・アッシン事務局長は声明で「我々はこの攻撃を最も強い言葉で非難し、調査を求める」と訴えた。 ハマスは30日、米国籍の人質とみられる男性の映像を公開した。約3分半の動画の後半では、男性が「トランプ(次期)大統領へ」と英語で語りかけ、「私たちの自由のために、あなたの影響力と米国の全権力を使って交渉をしてください」と求めた。(今泉奏)
朝日新聞社