能面作りで元気はつらつ 94歳の大志万さんと教室生が作品展
58歳の頃から趣味で能面を作り続ける京都府福知山市南本堀の大志万禮二さん(94)と教室生5人による作品展が12日から、内記一丁目の市丹波生活衣館で開かれている。細かな技巧を用い、丹精込めて作られた面65点が並ぶ。14日まで。 大志万さんは1988年、京都面美会に入門し、能面作りの技法を習い始めた。自宅に工房を構え、技術を磨くとともに、後進の育成にも努めてきた。 大志万さんはこれまでに150面ほど作ってきた。今回の作品展では、笑みを浮かべる老人の「翁」や最も若い女性を表す「小面」、酒をたしなむ妖精の「猩々」など36点を出展している。 穏やかな表情や恐ろしい形相、妖しさをたたえたものなど、さまざまな顔つきの面がそろう。 「空吹」などの狂言面や能登に伝わる伝統芸能・御陣乗太鼓で使う面、舞楽の蘭陵王の面なども展示。教室生5人は「お多福」「雷」「小姫」などの面を出している。 また能面の材料となる角材の「木取り」から「彩色」までの制作工程も、面を並べて解説している。 大志万さんは「能面作りを続けているおかげで、こうして元気にいることができています。能面は見る方向、角度によって、様々な表情が生まれるので、じっくりと鑑賞してもらえればうれしい」と話す。 入場無料。開催時間は午前9時から午後5時(14日は4時)まで。