「壁ヨガ」で効率よく脳と耳を若返らせる(耳を守るエクササイズ)【40代から増える「耳鳴り・難聴」に要注意! ⑧】
【壁ヨガ① 腕立て伏せ】
本来は床に手をついて行う「プランク=腕立て伏せ」に当たるエクササイズだ。
1.壁に向かって立つ 左右の足は肩幅に開き、両足の裏をつけて壁の前に立つ。壁と足との距離は腕の長さよりも足サイズ(つま先からかかとまで)1~2個分遠い位置で、両手を壁につける。体が壁に対してやや斜めになるくらいが目安だ。この基本のフォームで、鼻からゆっくり息を吸う。
2.胸を壁に近づける 息を吐きながら、両ひじをゆっくり曲げて、胸を壁に近づける。壁につかない手前で止めて、息を3秒かけて吸い3秒止める。両ひじは左右に張らずに、体の幅を維持したまま行う。
3.元に戻る 息を6秒かけて吐きながら、両手で壁を押してゆっくり元に戻る。 1~3の動きを10~20回繰り返す。慣れてきたら、両足の位置を壁から少しずつ離していく。
\これでもOK!/ 両足の裏を床につけた状態が難しい場合は、つま先立ちでもOK。少しラクになる。
【壁ヨガ② 片膝引き込み】
1.基本のフォームで立つ 壁ヨガ①の1と同様に壁に向かって立ち、両手を壁につける。この基本フォームで息を吸う。両足の裏を床につけた状態が難しい場合は、つま先立ちでもOK。
2.片膝を曲げる 息を吐きながら、右膝を曲げて、お腹を引き込むようにして、ゆっくりと鼻と膝を近づける。息を3秒かけて吸い3秒止める。鼻を膝で蹴らないように注意して。
3.元に戻る 息を6秒かけて吐きながら、ゆっくり元に戻る。左脚も同様に行う。 1~3の動きを左右1セットとして、10~20回繰り返す。慣れてきたら、両足の位置を壁から少しずつ離していく。 「壁を腕でしっかり押したり、足裏でふんばることで、効率よく全身の筋肉と骨に刺激を与えることができます。血流改善や神経のネットワークの活性化などで、耳の健康維持にも役に立ちます」
【教えてくれたのは】 石井正則さん 耳鼻咽喉科医・医学博士。JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長。東京慈恵会医科大学大学院卒業とともに、米国ヒューストン・ベイラー医科大学耳鼻咽喉科へ留学。帰国後、東京慈恵会医科大学附属病院耳鼻咽喉科医長、同大学准教授を経て現職。岐阜大学臨床教授を併任。専門は耳鳴り、めまい、難聴、宇宙酔い。日本耳鼻咽喉科学会代議員、宇宙航空研究開発機構(JAXA)・宇宙医学審査会委員。ヨギー・インスティテュート認定インストラクターであり、ヨガのポーズと呼吸の応用で、耳鳴りやめまいの軽減法を提唱している。著書に『70歳から難聴・耳鳴り・認知症を防ぐ対処法』(さくら舎)など多数。石井正則先生著書 イラスト/かくたりかこ 取材・原文/山村浩子