海を制するのはどこ?日本郵船、商船三井、川崎汽船、国内3大海運会社の戦略と競争力
商船三井 高収益を生むエネルギー輸送と環境への積極投資
【創業と発展の歴史】 商船三井(MOL)は、1878年に大阪商船として創業され、もともと大阪と東京間の国内輸送からスタートしましたが、日露戦争後の需要増加を背景に海外市場へも進出しました。 戦後の高度経済成長期には、石油化学製品やエネルギー輸送に特化したビジネスモデルへと進化しe、収益性の高い分野に特化した戦略が今日の強みとなっています。 【新興市場とブルーオーシャン戦略】 商船三井は、LNGや化学製品の輸送分野における高収益を支えに、新興市場への進出を積極的に推進しています。特に、アジア・太平洋地域でのエネルギー需要の高まりに対応するため、最新技術を活用した船舶の導入と新規市場の開拓を続けています。 彼らの「ブルーオーシャン戦略」は、未開拓の分野でのリーダーシップを目指すものであり、業界内でも注目されています。 【環境技術への投資とカーボンニュートラルの目標】 商船三井は、アンモニアや水素燃料船の開発など、革新的な環境技術への投資を進めています。これは、カーボンニュートラルを達成するための重要なステップであり、海運業界全体の脱炭素化に貢献する意義のある取り組みなど、未来の環境負荷を軽減する輸送技術の開発が期待されています。 【業績データ】 商船三井の業績データを見ると、2025年3月期の売上高は約1兆7,900億円が見込まれており、前年の約1兆6,279億円から約10%の増加が予測されています。近年の売上高の推移を振り返ると、2023年3月期には約1兆6,120億円、2022年3月期には約1兆2,693億円の売上を記録しており、順調に成長を続けていることがわかります。 営業利益についても、2025年3月期には1,530億円が見込まれており、前年の約1,031億円から約48.3%の増益が期待されています。2023年3月期には約1,087億円の営業利益、2022年3月期には約550億円を達成しており、利益面でも安定した増加傾向が見られます。 このデータから、商船三井は売上・営業利益ともに着実な成長を見せており、2025年3月期にかけてさらなる増収増益が期待されています。 後編では、川崎汽船の企業データと、海運企業がもつ投資家へのアピールポイントについて解説していきます。 【参考資料】 https://www.nyk.com/profile/pdf/sail_green_2026.pdf https://ir.mol.co.jp/ja/ir/library/integrated_report/main/0111111/teaserItems2/0/linkList/0/link/MOL_REPORT2023(J).pdf https://www.kline.co.jp/ja/ir/library/presentation/main/0111111111112/teaserItems1/0/linkList/01/link/2024_2_presentation_j.pdf 文/鈴木林太郎
@DIME編集部