豪11月失業率は8カ月ぶり低水準、予想外に低下 利下げ観測後退
[シドニー 12日 ロイター] - オーストラリア統計局が12日発表した11月の雇用統計は、就業者数が予想以上に増加し、失業率は予想に反して低下、8カ月ぶりの低水準となった。労働市場が当局者の想定よりはるかに底堅いことを示した。 オーストラリア準備銀行(中央銀行)が10日にハト派的な姿勢を示したことから来年2月にも利下げが実施されるとの見方が出ていたが、統計を受けて後退した。 豪ドルは対米ドルで0.6%上昇し、0.6409米ドルを付けた。3年債先物は7ティック安の96.192ドル。スワップ市場では2月の利下げ確率が68%から55%に低下した。 就業者数は前月比3万5600人増で、市場予想の2万5000人増を上回った。前年比の伸びは2.4%にやや鈍化した。10月は1万2200人増(改定値)だった。 11月の失業率は前月の4.1%から3.9%に低下。アナリストは4.2%への上昇を見込んでいた。労働参加率は67.1%から67.0%にやや低下し、労働時間は横ばいだった。不完全雇用率は0.1%ポイント低下し、6.1%となった。 オーストラリア・ニュージーランド銀行の上級エコノミスト、アデレード・ティンブレル氏は「最近発表された経済指標が軟調だったため、2月の利下げリスクが高まったが、今回の雇用統計の結果はそのリスクをいくらか相殺する」と述べた。 統計局の労働統計責任者、デビッド・テイラー氏は「11月には、10月に就職を待っていた失業者が、例年より多く就職した」とし、これが雇用増加と失業率低下につながったと説明した。 雇用統計は中銀のブロック総裁が次回2月の会合までに注視するとしている指標の一つ。 第3・四半期の国内総生産(GDP)は予想よりも弱く、賃金の伸びも鈍化しており、インフレを抑制するために失業率がこれ以上上昇する必要がない可能性を示唆している。