イベント終了後も活躍期待 富山県小矢部市の火牛まつりのわら製牛、地元住民らが保存・活用へ
9月で34年の歴史に幕を下ろした富山県小矢部市の名物イベント「メルヘンおやべ源平火牛(かぎゅう)まつり」で使われてきたわら製の牛を、同市北蟹谷(きたかんだ)地区の住民らが保存していくことになった。9日、倉庫からの搬出作業が行われた。 まつりは市ゆかりの平安末期の武将、木曽義仲が源平倶利伽羅合戦で用いた奇襲「火牛の計」にちなみ、たいまつを付けたわら牛によるレースやパレードなどを展開。スタッフ不足のため今年で終了した。 重さ約200~800キロある大中小のわら牛6体は処分される予定だったが、北蟹谷地域活性化協議会と市民劇団「めるへん劇団」がこのほど、市商工会などでつくる実行委員会から保存管理を引き継いだ。地域行事などに活用する考え。 9日は両団体のメンバーが同市赤倉の倉庫から6体を搬出し、重機で新たな保管場所へ運んだ。小型の1体は倶利伽羅源平の郷(さと)埴生口(同市埴生)に近く展示し、残る5体は今後、具体案を決める。
協議会の野澤敏夫副会長は「せっかくの財産。小矢部の活性化に役立てたい」と話した。