グローバル資金が香港に回帰-ハンセン指数、強気相場入り
(ブルームバーグ): 香港で株高が進んでいる。米国の金利が想定以上に高止まりするとの見通しから米ドルとのペッグ(連動)制を採用している香港ドルの安全資産としての魅力が高まっている。
ハンセン指数は2日の取引を2.5%高で終え、テクニカル的に強気相場と見なされる水準に入った。リスクに敏感なハンセンテック指数は4%を超える上げ。不動産開発会社やカジノ運営会社も買われた。中国本土の株式市場は祝日で休場となっている。
世界の運用各社は米連邦準備制度理事会(FRB)の政策に対する評価を見直し、ポートフォリオを再編成している。
アジア通貨はドル高持続で打撃を受け、その影響は各アジア市場の株式リターンにも及んでおり、好調な日本や台湾などの株式市場から香港に資金を回すファンドもある。香港ドルはここ1カ月間で米ドルに対し上昇した2つのアジア通貨のうちの一つ。
ジュリアス・ベア・グループの中国ストラテジスト、リチャード・タン氏は、「グローバル投資家が米国や日本、あるいは世界のハイテク株から利益を得て中国株にシフトし、急反発を利用」するローテーションが起きていると指摘し、「伝統的に香港株はグローバル投資家の参加が多く、このことが人民元建てのA株市場に対する香港株の短期的なアウトパフォームを促す可能性が高い」と指摘した。
香港株の低いバリュエーションや中国政府の資本市場支援政策といった追い風もある。ハンセン指数の予想株価収益率(PER)は8.5倍。これに対し米S&P500種株価指数は20倍近く、TOPIXは15.7倍となっている。
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原題:Hong Kong Stocks March Into Bull Market as Global Money Returns (抜粋)
--取材協力:April Ma、Ishika Mookerjee.
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John Cheng, Charlotte Yang