「ふつうに生きていたら下級国民になる」…絶望する「ふつうの人」に残された「人生を逆転」させるための「たった一つの方法」
「ふつうの奴ら」の上を行くしかない
ところが平和な時代が続くと、その日暮らしの者と、わずかずつでも富を蓄積・運用する者とのあいだに差が生じ、それが積み重なることで経済格差が大きくなっていく。このようにしてなんら不正がなくても、ベルカーブは自然に崩れてロングテールになっていく。 上図を恐竜(ブロントサウルス)に見立てるなら、長く伸びた尾(テール)の端にとてつもない富をもつ者(イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット)がいる一方で、ほとんどの者はショートヘッド(恐竜の頭部)に集まっている。 近年では、ロングテールは「上級国民」、ショートヘッドは「下級国民」と呼ばれるようになった。 ベルカーブの世界とは異なって、ロングテールの世界では、「ふつう」に生きていてはショートヘッドの「下級国民」になるだけだ。そこから抜け出すには、「ふつう」ではないことをして、ロングテール(上級国民)を目指すしかない。 このような社会・経済環境の変化によって、「ふつうの奴らの上を行く」ハックが注目されるようになったのだろう。 さらに連載記事<「トランプ再選」に落胆する「リベラル」がまったく理解していない、世界中で生きづらさを抱える人が急増した「驚きの原因」>では、人生の難易度が格段に上がった「無理ゲー社会」の実態をさらに解説しています。ぜひご覧ください。
橘 玲(作家)