「ふつうに生きていたら下級国民になる」…絶望する「ふつうの人」に残された「人生を逆転」させるための「たった一つの方法」
ふつうに生きていたら転落するーー! あまりに残酷な「無理ゲー社会」を生き延びるための「たった一つの生存戦略」とは? 【写真】「ふつうに生きていたら下級国民になる」ふつうの人のための人生逆転する方法 作家の橘玲氏が、ますます難易度の上がっていく人生を攻略するために「残酷な世界をハックする=裏道を行く方法」をわかりやすく解説します。 ※本記事は橘玲『裏道を行け』(講談社現代新書、2021年)から抜粋・編集したものです。
ふつうに生きていたら転落する
ゲーマーは、攻略できないゲーム(無理ゲー)は「ハック」か「チート」するしかないと考える。既存のルールを無視して「裏道(近道)」を行くのだ。 同様に人生が攻略不可能だと感じたら、ゲーム世代がシステムをハックしようとするのは不思議でもなんでもない。 このことを、ベルカーブ(正規分布)とロングテール(ベキ分布)で説明してみよう。 ベルカーブの世界では、平均から1標準偏差離れた範囲(偏差値では40~60)に全体の約7割(68・3%)が収まる。 これを「中間層」とするならば、その外側にいる「中流の上」(偏差値60~70)と「中流の下」(偏差値30~40)はそれぞれ1割強(13・55%)で、広い意味での中流は全体の95・4%になる。 まさに昭和の「1億総中流社会」だ(上図)。 このような「みんながふつうの世の中」では、一所懸命勉強してそこそこの大学に入り、そこそこの会社に就職して、こつこつ働いて定年まで勤めあげれば「ふつうの生活」が手に入った。だとしたらルールから外れ、「ふつうの奴ら」とちがうことをする理由はどこにもない。 第2次世界大戦後の日本が1億総中流社会になったのは、広島・長崎に原爆を落とされ、国土が焼け野原になり、兵士・民間人含め300万人が生命を落とした敗戦と、アメリカ軍(GHQ)による占領=民主改革によって、戦前の身分制的な社会制度が破壊された「恩恵」だった。 これは日本だけでなく、歴史上、社会が平等になるのは戦争、革命、(統治の)崩壊、疫病によってそれまでの社会構造が解体され、権力者や富裕層が富を失ったときだけだ。