子どもと工務店がつくる注文住宅! 打ち合わせ・設計も体験、ダンボール製の”マイホーム”で住育を ホロスホーム「ダンボールハウスけんちくじむしょ」
子どものいる家族と家づくりを行う課題を解決する一手に
なぜこのようなサービスをはじめたのでしょうか。 「うちに注文住宅を依頼してくださるお客様は、皆さん家づくりに対するこだわりも強くて、どうしても設計期間も打ち合わせも長くなる傾向にあるんです。スイッチひとつにしても、標準ラインナップから選んでください、などということはなくひとつひとつ丁寧に提案しています。自社で工房ももっているので、流通していないものは自分たちでつくってしまうこともできるので。そういう家づくりに共感してくださる方が依頼してくださるので、われわれも張り切って提案しています。そうなると打ち合わせの間、お子さんが手持ち無沙汰になってしまうことが気にかかっていました。半日かかる打ち合わせを5回、6回と重ねていくことになりますから」(長坂) 「ホロスホームのホロスとは、”全体”を意味するギリシャ語です。お客様に家を売るのではなく、暮らしの全体を売る、という思いが込められています。外構も含めて請けていたり、趣味を楽しむ家づくりを大切にしているなど楽しんで暮らす家を提供したいと考えています。 また楽しく暮らすためには家にお金を使いすぎてもいけないので、DIYでお客さんと一緒に壁の塗装をするワークショップなども実施しています。家づくりのプロセスも暮らしの一部として楽しんでほしい、そのために、お子さんにも関わってもらうことができると良いのではないかと考えたんです。弊社に依頼してくださるお客様は多趣味で人生を楽しんでいる方が多いので、こうした取り組みには共感してくださる方が多いだろうなと思います」(山口) お子さんにとっては、親御さんがどんなことに頭を悩ませているのか、知るきっかけにもなると山口さんはいいます。
「この企画の発端は、弊社が運営しているカフェやインテリアショップにコンサルタントとして関わっていただいているクリエイティブディレクターの佐藤ねじさん(ブルーパドル)からいただいたアイデアでした。佐藤さんのお子さんが、ダンボールハウスを自作していたそうで。プロの建築士と一緒にダンボールハウスをつくるサービスがあったら面白いんじゃないかとご提案していただいたんです」(山口) その提案が、打ち合わせ中にお子さんが退屈してしまうという課題への対策として合致したのだそう。 「佐藤さんに弊社の工房なども見ていただいたところ、これだけこだわって家づくりに取り組んでいるのであれば、お子さんにもそのこだわりを体験してもらうのはどうだろう、というのが入口でしたね。はじめは単純に面白そうだしやってみよう、ということで検討を進めていきました。ほかの工務店さんにはないサービスですし、こうした取り組みを行うことで、『面白い会社だな』と思っていただくことが弊社を知るきっかけにつながるのではないかと思い、立ち上げることにしました」(山口) 「立ち上げの際に、弊社のお施主さんに限らず公募での無料キャンペーンを実施しまして、事前のトライアルも含めると11件制作しています。これからは弊社に住宅を発注していただいたお施主さんに付帯サービスとして無料でご提供していく予定です」(長坂) 「弊社を知っていただく広報活動の一環として位置づけています。これまでご依頼いただいた方ですと下は幼稚園の子から、中学生の子まで幅広い年齢のお子さんがいらっしゃいました。きょうだいの方が多く、家族の良い思い出になってくれるといいなと思います」(山口) お子さんとの暮らしを大切にするためにもマイホームはこだわりたいもの。ただそのプロセスで置いてけぼりにされてしまうと、せっかくの家づくりにネガティブな思い出が残されてしまうかもしれません。つくる過程も含めて家づくりを楽しめるような取り組みが増えていくと、その先の暮らしにも良い影響を与えるのではないでしょうか。 完成したダンボールハウスが使い倒されていくのが楽しみです。 ●取材協力 ホロスホーム(ハウス成田建設株式会社)
ロンロ・ボナペティ
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