【韓国ドラマ】美人で演技派「憧れの韓国女優」主演のドラマって?
ところがです。そのドヒの直属の部下がある日突然、転落死。ウンソン財閥の娘婿ジェミン(リュ・スヨン)のレイプが発端なのですが、人の死を目の当たりにしたドヒはこれまで行ってきた自分の罪の重さに押し潰されるように突然改心、その一件のもみ消しを命令されるものの敢然と拒絶してしまうんですね。 となると、財閥家なんて実に冷たいものです。もともと、社員を単なる捨て駒としてしか考えていないから、あれだけ手を汚させて自分達の窮地を救わせてきたエースの首だって、何の逡巡もなく、あっさりと切り捨ててしまうわけです。まあ、そこまではいいとして、土砂降りヒエ・ドヒを本気にさせたのは、あろうことか、そのスレギ(クズ)ジェミンがウンソン財閥を後ろ盾にソウル市長に立候補するというニュース。しかも、市民の味方、女性の味方と銘打って。胸の内の雨霰は、荒れ狂う嵐と化し(見た目はあくまでスマート然としているところも凄い)、ドヒはジェミンを当選させてなるものかと立ち上がるわけですね、人権派女性弁護士オ・ギョンスク(女優ムン・ソリ)を対立候補として出馬させて。
で、面白いのはこのオ・ギョンスク。いつも弱いものの側に立って、なりふり構わず全力で突っ走る正義の人なので、そう、ドヒとは正反対。見た目も全く構わない、着た切り雀状態だし、そして、その心の内は、もちろん一点の曇りなし。晴れ渡る空のように清廉オ・ギョンスクを、とことん汚い裏側を知り尽くすドヒが支えるという、くすぐられずにはいられない構図なのです。 オ・ギョンスクを演じる女優ムン・ソリは、「青い海の伝説」などドラマの脇役としてもピリリといい味効かせる役者さんとしてちょいちょい登場していますが、どちらかというと映画畑の人。かのヴェネツィア国際映画祭では、かつて新人賞を獲るなど、数々の映画賞を受賞する実力派なのですが、このキャラの立ち方の違う2人が相乗効果で、互いの湿度の違いをさらに際立たせているのがかなり痛快。 立ちはだかる財閥パワーをそんな2人がどう攻略していくのか。情報操作当たり前、権力も財力もほしいままのウンソングループの悪辣なる戦略の数々。当然何度も何度も窮地に立たされる2人。でも、安心してください。こちらにはウンソングループを知り尽くし、汚い手段も知り尽くすドヒがついています。その熾烈極める政治ショーのハラハラ・ドキドキのスリリングを存分に楽しめるのはいうまでもなく。