窪田正孝、イッセー尾形の「演技へのこだわり」に驚いた! 秋ドラマ最注目『宙わたる教室』監督が語る
伊東蒼の「天才」ぶり
また、起立性調節障害で保健室登校をする佳純役の伊東蒼は、6歳でドラマデビューし、数々の映画賞を受賞してきた「天才」と称される若きベテラン俳優だ。そんな伊東の驚くべき集中力について、吉川氏はこう振り返る。 「伊東さんはフラットな状態を常に維持しているイメージで、全然気負う様子もなく、周りを緊張させないすごい方です。また、自分の解釈や役作りはしっかりありつつ、演出サイドの意図も尊重してくれる『聞く耳を持っている人』。でも、本番中は役を生きているので、中途半端に妥協しない強さも持ち合わせていて、そのしなやかさと強さのバランスがすごいなと思いました」 例えば、思い出されるのは第3話。佳純が友人・真耶の行方を心配し、夜の街に出て、キャッチの男に止められるシーン。 「佳純が真耶を追いかけるんですが、佳純としては絶対に助けなきゃと必死だから、キャッチの男性が止めようとしても、全然止められなくて、そのまま振り切っちゃうんですよね。キャッチ役の方には『頑張って止めてください!』とお願いしたのですが、やっぱりなかなか止められなくて。確か5テイクぐらいやってると思います(笑)。それくらい伊東さんは佳純になりきっていて、役者魂を感じました」(吉川氏)
大気のように現場を安定させるガウ
第1話から第4話までは岳人、アンジェラ、佳純、長嶺、それぞれのキャラクターにフォーカスをするように各話が構成されていた。第2話ではアンジェラにフォーカスが当たり、必然、ガウのセリフが多くなる。 「ガウさんはかなり緊張をされていたと思います。特に母語ではない日本語であれだけのセリフを覚えることはかなり大変だったと思います。しかし第2話はそこに本当のアンジェラがいるかのように役を演じ切ってくれました。 第2話の山を乗りきると、撮影の合間に積極的に周りの方にも声をかけてくださっていました。まさに藤竹の言葉通り、越川(ガウ)さんが教室にいると、クラス(現場)の大気が安定するんです」(吉川氏)