知床観光船事故、社長の勾留必要 最高裁、特別抗告を棄却
北海道・知床沖の観光船沈没事故で、業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで逮捕された運航会社の社長桂田精一容疑者(61)について、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は、身柄拘束の必要性はないとして検察の勾留請求の却下を求めた弁護側の特別抗告を棄却する決定をした。25日付。 第1管区海上保安本部(小樽)は今月18日、運航管理者として出港を見合わせたり、航行継続を中止したりするなどの注意義務を怠り、乗客乗員26人を死亡させた疑いで桂田容疑者を逮捕。釧路簡裁が同20日に勾留を決定した。 決定を不服とした弁護側の準抗告に対し、釧路地裁は「事件関係者に接触するなどして罪証を隠滅する恐れがあり、事案の内容や性質、容疑者の生活状況などに照らすと、逃亡する恐れがないとはいえない」として棄却。弁護側はさらに特別抗告したが、第1小法廷は「抗告理由に当たらない」と判断した。