松本光平が移籍先にソロモン諸島を選んだ理由「獲物は魚にタコ。野生の鶏とか豚を捕まえて食べていました」
移籍先にソロモン諸島の強豪を選んだ理由
松本光平には現在、二つの目標がある。一つは「初の視覚障がいのあるJリーガー」となること。もう一つは、再びFIFAクラブワールドカップの舞台に立つことである(彼は2019年大会で、オセアニアチャンピオンのヤンゲン・スポールの一員として出場している)。 昨年8月、ニュージーランドのハミルトン・ワンダラーズで、3年3カ月ぶりにフットボールの公式戦に復帰。シーズン途中での加入となったが、残り8試合すべてにスタメン出場を果たし、ゴールも決めた。その余勢をかって、帰国後にいくつかのJクラブに売り込んだものの、残念ながら入団には至らず。ここで彼は、もう一つの目標に気持ちを切り替える。 「同じ時期にOCL(OFCチャンピオンズリーグ)に出場するクラブとのやりとりもあって、それでソロモン諸島のソロモン・ウォリアーズFCに加入することになりました。ニュージーランド時代、ソロモン諸島出身のチームメイトから『いつかソロモンでプレーするなら、最も強いウォリアーズがいいぞ』って聞いていたんです」 ソロモン諸島のトップリーグは12クラブで運営されている。100以上の部族方言をもつ多民族島嶼国ゆえに、それぞれの部族ごとにクラブがあり、ウォリアーズはガダルカナル島にある首都ホニアラの強豪クラブ。ホニアラでトレーニングと試合を行っているという。OCLの前後に5試合、国内リーグを戦った松本光平は「思っていた以上にレベルが高い」と感じたそうだ。 「技術的な話でいえば、たぶんオセアニアで一番高いです。ニュージーランドだと、ロングボールをボンボン蹴ってフィジカル勝負っていうイメージがありますけど、ソロモン諸島は小柄な選手が多いんですよ。その分、足元がすごくうまくて、フットサルだったらニュージーランドよりも強いくらいです。そういうお国柄なので、サッカーでもロングボールを蹴らずに、GKからきちんとビルドアップしていくようなスタイル。自分としても、やりやすかったですね」 松本光平いわく「僕としては優勝候補くらいに思っていました」。かくして、6月11日から開幕するOCLに出場すべく、ウォリアーズの一行は開催地となるタヒチへと向かった。