「災害時の対応学んで」防災士の資格を持つ鈴木さん(内郷一中3年)を中心に防災学習を企画 福島県いわき市
昨年9月の台風13号で大きな被害を受けた福島県いわき市内郷地区にある内郷一中で19日、防災学習が行われた。同校生徒で防災士の資格を持つ鈴木仁太さん(3年)が「みんなに防災意識を高めてもらいたい」と中心になり企画。避難所運営の模擬体験などに取り組んだ。 鈴木さんは中学1年時、当時いわき市で最年少の登録防災士になった。今年6月に参加した市の研修で、避難所の開設に戸惑ってしまった経験から「いざという時に備え、学校のみんなに楽しみながら体験してほしいと思った」と防災学習を企画したという。 防災学習にはいわき市出身で東北大災害科学国際研究所助教の新家(しんか)杏奈さんや福島高専助教の丹野淳さんらが協力し、内郷一中の全校生徒と教員約400人が参加した。 タブレット端末を使って全教室をオンラインで結び、鈴木さんが自分で作った資料を使って避難所の仕組みや課題を説明。その後、避難所で起こる様々な出来事を体験する「避難所運営ゲーム」を行った。生徒はそれぞれチームを作り、「ペットを連れた人が避難してきた」など、避難所で現実に起こり得る課題が次々に与えられる中、悩みながら運営に取り組んだ。
鈴木さんは将来、災害科学を研究する道を歩みたいという。「これからも勉強や防災士として頑張りたい」と笑顔を見せた。 (いわき版)