北海道のJR貨物列車脱線 代行バス不足に不満続々 函館―長万部わずか4往復
渡島管内森町のJR函館線で16日未明に発生した貨物列車の脱線事故の影響で、特急などの運休が続く函館―長万部駅間で17日、代行バスの運行が始まった。同区間では特急が通常1日11往復しているが、JR北海道が17日に用意できた代行バスはわずか4往復分。十分な代替輸送を確保できず、札幌と函館を結ぶ都市間バスや航空便は軒並み満席となり、交通手段を失った乗客からは不満の声が相次いだ。 17日午前8時、JR函館駅前。札幌行きの特急列車が待つJR長万部駅行きの代行バスに利用客が次々と乗り込んだ。 「駅員から『代行バスに乗れる保証はない』と冷たく言われた。誰のせいでこうなったのかと腹が立った」。16日に札幌市内に帰る予定だった会社員菊地麻由子さん(44)は、駅構内でバスを待ちながらJRを批判した。 旅行で函館に訪れていた無職鈴木信行さん(69)も、事故の影響で函館での滞在を1日延ばした。「宿泊代をJRに返金してほしい思いだ」。不満を口にしながら、バスに乗り込んだ。 JRはバス運転手の人手が足りず、代行バスを十分確保できなかった。18日に運行予定の代行バスも4往復分のみ。JR各駅の窓口を訪れる乗客には、バス会社が運行する都市間高速バスの利用も勧めているという。