左腕にサイコガンを仕込んだ「コブラ」の漫画家・寺沢武一さん変遷たどる企画展…兵庫・宝塚
SFアクション漫画「コブラ」で知られる漫画家、寺沢武一さん(2023年に68歳で死去)の作品を集めた企画展が、兵庫県宝塚市武庫川町の市立手塚治虫記念館で開かれている。寺沢さんはデビュー前に手塚治虫の手塚プロダクションでアシスタントをしていた縁があり、直筆原稿など計約100点を展示している。 サイコガンのフィギュアや下絵なども展示している
寺沢さんは北海道出身。1976年に上京して、手塚に師事。78年に独立し、週刊少年ジャンプでデビュー作「コブラ」の連載を始めた。左腕にサイコガンを仕込んだ宇宙海賊が星々を飛び回り、悪の組織を退治するストーリー。80年代からは作品制作にコンピューターをいち早く取り入れ、デジタルコミックという新たな分野を切り開いた。
企画展では、「コブラ」の直筆原稿やフィギュアが並ぶ。このほか、85年に8色のコンピューターグラフィックス(CG)で描いた「バット」や、世界で初めて全編をフルCGで仕上げた「武 TAKERU」といったプリント画などを時系列で展示している。
寺沢さんは手塚プロのアシスタントの応募に落選したが、後から手塚が個性的な絵を評価して採用を決めたというエピソードがある。
寺沢さんの著作権を管理する会社の古瀬学社長は「手塚先生のもとで学んだことはすごいプラスになったと語っていた」と振り返り、「デジタルを使い、漫画のスタイルを広げていった変遷を見てほしい」と話している。
来年2月19日まで。月曜(来年1月13日は開館)と12月26日~31日は休館。大人700円、中高生300円、小学生100円。問い合わせは記念館(0797・81・2970)へ。