劇的進化を遂げた新型トヨタ「GRヤリス 」がいよいよ4月8日から販売開始。もっと凄い特別仕様車は抽選申込が先行スタート
トヨタ経営陣が先頭に立ち、プロのドライバーとともに「GR-DAT」を開発
2024年3月21日、TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は、進化版トヨタ「GRヤリス」を4月8日より販売を開始すると発表。あわせて、進化版「GRヤリス」をベースとした、特別限定仕様車の抽選申込も開始した。 【写真はこちら】ファンに対する敬意と感謝を込めて、進化版「GRヤリス」をベースに特別仕様を開発(全29枚) モータースポーツを起点としての車両開発を行うTOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)の手になるトヨタ「GRヤリス」。その進化版が、2024年1月の「東京オートサロン2024」でワールドプレミアされたことは記憶に新しいところだろう。そしていよいよ、4月8日に発売の時を迎えた。 進化版「GRヤリス」の最大の魅力は、新開発8速AT「GR-DAT」(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)の追加設定だろう。これは、「より多くの方に走る楽しさを提供し、モータースポーツの裾野を広げたい」というモリゾウ(豊田会長)の想いの下、「幅広いドライバーがスポーツ走行を楽しめ、レースでMTと同等に戦えるAT」をキーワードに作り上げられたモノだ。 それだけに、「GR-DAT」の開発の熱量は半端なものではなかった。TGR World Rally Team(以下TGR-WRT)のドライバーがフィンランドの雪道など様々な路面で走り込みを行ったほか、プロのラリードライバーによる全日本ラリー参戦でもテストを行ったという。 また、トヨタの経営陣も先頭に立った。早川副会長をドライバーに、初心者でも気軽に楽しめるTGRラリーチャレンジへ参戦したほか、スーパー耐久シリーズへモリゾウがドライバーとして参戦するなど、アマチュアサイドからの評価も行われている。
モータースポーツシーンを意識してプラッシュアップされた内外装
コックピットも見直された。スーパー耐久シリーズ参戦車および全日本ラリー参戦車をモチーフに、操作パネルとディスプレイをドライバー側へ15度傾けて設置することで、視認性と操作性の改善を図るとともに、スポーツ走行時のみならず日常生活でも使いやすいスイッチ類の配置にもこだわりをみせている。 ドライビングポジションを25mm下げるとともに、てステアリング位置も調整することにより、ドライビング姿勢の改善も行われた。また、インナーミラーの取り付け位置をフロントガラス上部に移動させ、さらにセンタークラスターの上端を50mm下げることにより、前方視界の拡大も図られている。 これらは、プロのドライバーたちのモータースポーツの現場の意見を取り入れたもの。 ほかにも、現行のCVT搭載モデルであるGRヤリス RSと比較してシフトレバーを75mm高い位置に設定。GR-DAT搭載車への手引き式パーキングブレーキ採用や、Mモードでのシフトレバーによる変速操作の向きの変更→引き操作でシフトアップ(加速)/押し操作でシフトダウン(減速)している。油温の表示追加など、改良は細部にわたる。 エクステリアも同様だ。バンパーロアサイドを分割構造とすることで、モータースポーツ参戦時に石などの飛来物による損傷があった際の復元・交換作業を容易にし、修復費用低減にも繋げようというものだ。また、モータースポーツ参戦中の損傷回避と視認性を考慮し、上下リアランプ類を集約すとともに、ハイマウントストップランプとリアスポイラーを分けることで、リアスポイラーのカスタマイズ性の拡張も図られている。 搭載される1.6Lターボエンジンは、最高出力を200kw(272PS)から224kw(304PS)へ、最大トルクを370Nm から400Nm へとパフォーマンスが大幅に向上している。