氷上制動性能22%向上…トーヨータイヤ、新スタッドレスタイヤに採用した新素材
トーヨータイヤは11日、氷上制動性能を従来品比22%向上した乗用車向けスタッドレスタイヤ「OBSERVE GIZ3(オブザーブギズスリー)」を8月に発売すると発表した。新規素材の「持続性高密着ゲル」と「サステナグリップポリマー」、二つの新トレッド(接地面)パターンを採用し密着性を高めた。経年劣化を抑制し、長期間効果を持続する。従来品では設定していなかったスポーツ多目的車(SUV)対応サイズを追加し、全68サイズを用意した。価格はオープン。販売目標は非公表。 【写真】新スタッドレスタイヤの表面構造 新たに配合した持続性高密着ゲルとサステナグリップポリマーは、ゴムを全体的に柔軟に保ち凍結路面にもしっかり密着する。持続性高密着ゲルを使用することで低温でも軟らかさを向上させ、性能を維持し経年劣化を抑える。原材料の45%が植物由来のサステナグリップポリマーは、路面の凹凸に対応しグリップ力を高めた。 新たに開発したトレッドパターンは「ヘリンボーンサイプ」と「アッセンブルブロック」。ギザギザの細かい溝が交互に斜めに入ったヘリンボーンサイプは密着性を向上させ、直進だけでなく安定的なハンドリングにも寄与する。アッセンブルブロックは従来品より大きめのブロックが密集したイメージで、倒れこみを抑制し接地圧を分散させる。ブロック単体ではなく接地面全体でとらえることで剛性を高めた。 開発担当者は「接地面を均一化することで、サイプの機能や高密着ゲルの力などを最大限発揮できる」と語る。これらの新技術により氷上制動性能の向上に加え、転がり抵抗を従来品比10%低減。氷上旋回の平均ラップタイムを同4%短縮した。凍結や雪など刻々と変化する路面に対応し、安全な走行を足元で支える。