24年の白金族金属需給、プラチナ19トン供給不足。パラジウムも11トン不足ージョンソン・マッセイ予測
英国ジョンソン・マッセイ社は、最新版の「PGM(白金族金属)マーケットレポート(2024年5月版)」を発行した。24年はプラチナが18・6トンの供給不足と直近10年で最大の不足幅になると予測。パラジウムは11・1トンの供給不足、ロジウムは2トンの供給不足になると予測した。23年はプラチナが16・1トンの供給不足、パラジウムが31・7トンの供給不足、ロジウムが4トンの供給不足だった。プラチナは需要が堅調さを維持する一方、鉱山からの供給量が減少すると見込む。パラジウムはガソリン車の生産台数減少が見込まれることに加え、供給量が微増すると想定し、不足幅が縮小すると予測した。 24年のプラチナ需給は、一次供給量(鉱山からの供給量)176・7トン(前年比1・9%減)、二次供給量(リサイクル量)41・5トン(同2・7%増)、需要236・8トン(同0・1%増)と予測。2年連続の不足バランスになると予測した。供給では23年に大量の在庫放出があったロシアからの供給量が通常の水準に戻り、南アフリカの鉱山からの供給量も減少すると想定した。需要は、ディーゼル車の生産台数減少によって自動車向けが微減となるものの、引き続き高水準を維持すると予測し、投資需要も増加すると予測した。 パラジウム需給は、一次供給量200・7トン(同1・4%減)、二次供給量90・9トン(同4・1%増)、需要302・7トン(同6・2%減)と予測。供給ではロシアからの供給が減少する見込みだが、中国でため込まれていたスクラップの処理が増えると想定し、総供給量は前年並みになると予測。需要は世界のガソリン車生産台数の減少に加え、中国の自動車会社がコスト削減を図るために排ガス浄化触媒中のPGM含有量を減らしていることから自動車向けが減少すると予測し、全体の需要は8年ぶりの低水準になると予測した。 ロジウム需給は、一次供給量21・9トン(同0・5%増)、二次供給量9・2トン(同3・4%増)、需要33・1トン(同4・6%減)と予測。2年連続で供給不足となる見込みだが、パラジウムと同様、二次供給量の増加に加え、ガソリン車生産台数の減少に伴う自動車向け需要の減少で不足幅は縮小すると予測した。