スロバキア、ガス輸送巡り対抗措置警告 ウクライナ反発
Max Hunder [28日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、スロバキアのフィツォ首相がロシアの命令でウクライナに対し「第二のエネルギー戦線」を開いていると批判した。 スロバキアなど欧州数カ国はウクライナ経由でロシア産天然ガスの供給を受けているが、ウクライナはロシアの侵攻前に結んだ既存の輸送契約が今年末に期限切れとなった後は輸送を停止する見通しだ。 ロシアのプーチン大統領とモスクワで今月会談したフィツォ氏は27日、ウクライナが来年1月1日からガス輸送を停止した場合、スロバキアはウクライナに対し、予備電力の供給停止など対抗措置を検討すると述べた。 ゼレンスキー氏はこれについて「プーチンはスロバキア国民の利益を犠牲にしてウクライナに対し第二のエネルギー戦線を開くようフィツォ氏に命じたようだ」とXに書き込んだ。 ウクライナは電力網がロシアの攻撃の標的となる中、周辺国からの電力輸入を余儀なくされている。 ゼレンスキー氏はスロバキアが現在、ウクライナ電力輸入の19%を占めていると指摘。その上で、欧州連合(EU)と協力して供給強化に取り組んでいるとし、「スロバキアは欧州単一エネルギー市場の一部であり、フィツォ氏は欧州共通のルールを尊重しなければならない」と強調した。