SNSで大バズり!掃除系インフルエンサーもびっくりの実力を誇る「ウルトラハードクリーナー」が大ヒット商品になったワケ
毎日掃除をしても落ちにくいしつこい汚れ。特に、お風呂場の皮脂汚れやキッチンの油汚れなどに苦戦を強いられている人も多いのではないだろうか。ドラッグストアや量販店ではさまざまな掃除の商品が並んでいるが、その中でも「別格の洗浄力」というコピーを掲げ、文字通り圧倒的な洗浄力で消費者にインパクトを与えているのがリンレイの「ウルトラハードクリーナー」シリーズだ。 【写真】ウルトラハードクリーナー バス用 この商品は、いろいろな掃除がプロ仕様になるほどに超強力な、手強い汚れを根本解決する洗剤シリーズ。InstagramやTikTokなどのSNSでは「あきらめていた汚れが落とせた」「お風呂が見違えるように綺麗になった」など、驚きと感動の声が上がり、さらにはインフルエンサーによる拡散もあり、大きな話題となっている。 今回は、ウルトラハードクリーナーの開発担当であるマーケティング部 製品開発グループの山田貴之さんと、マーケティング部 広告・広報グループの寺門未由さんに、商品の開発秘話やヒットの背景について話を聞いた。 ■プロも納得のウルトラハードクリーナーとは? リンレイは、ワックスやコーティング、洗剤などの製造・販売を行う企業。家庭用、自動車用、業務用など幅広いシーンに対応する製品を提供しており、創業80年を超える歴史があるリンレイが一般消費者向けに販売している商品のひとつが、ウルトラハードクリーナーだ。この商品は、これまで落とすことが難しかった汚れを落とすことにこだわったシリーズで、業務用としても現役で使用されているのが大きな特徴だ。 この商品が生まれた背景には、家庭用品での主力商品を作りたいというリンレイの狙いと、開発担当の山田さんの『頑固な汚れを落とせた時の感動を消費者に伝えたい』という想いがあった。 「弊社はもともと、駅や空港などを掃除されるようなプロの方向けの床用ワックスや洗剤の製造販売をしており、その延長線で一般消費者向けにも主にホームセンターで床用ワックスを販売してきましたが、かねてよりそれ以外の売上の柱を作れないか模索している中で、ちょうど10年前に私が弊社に入社しました。プライベートで自宅の掃除を担当していた私は当時、とある洗剤の洗浄力に感動した直後だったことも相まって、『掃除を通して感動を与えられる商品や文化を作りたい!』と思い、洗剤の新商品開発に乗り出しました」 一般家庭でも掃除しやすい使い方と安全性を維持したうえで、掃除のプロでも納得の洗浄力を実現したウルトラハードクリーナー。週に一度の掃除でもしっかりと汚れが落ち、綺麗さをキープできるとSNSを中心に大きな話題になり、売り上げが一気に伸長した。 「2022年ごろ、とある掃除系のインフルエンサーの方に『すごい洗剤を見つけた!』と『ウルトラハードクリーナー バス用』を取り上げていただきました。掃除する前としたあとを比べるというショート動画でしたね。すると、ほかの掃除系のインフルエンサーの方たちもこぞって実践し、一気に広がりました。その後はテレビをはじめとしたメディアに取り上げられてさらに注目を浴び、売り上げが急伸しました。SNSの力を感じずにはいられませんでしたね」 ■ヒット商品の仲間入りで、他シリーズも絶好調! 2015年の発売当初には油汚れ用、バス用、多用途の3種類からスタートしたウルトラハードクリーナーは、年を重ねるごとにさまざまなシリーズ展開が行われ、現在は合計12種類の商品が発売されている。特に、ウルトラハードクリーナー バス用はSNSで人気になったことをきっかけに、『日経トレンディ 2023年6月号』にて、上半期ヒット商品の日用品部門に掲載されるなど、快進撃が続いている。 「2022年は昨年度比でシリーズ全体として約2倍、バス用単体で見ると3倍くらい売上が伸びました。その後、日経トレンディさんで取り上げていただいたこともあって、2023年はドラッグストアや量販店のバイヤーさんからも認知いただき、しっかりと売り上げを伸ばすことができました。2023年も同じように、シリーズ全体を通して好調です」 シリーズのなかでも一番人気は、やはりバス用。一般家庭での掃除の困りごとのひとつに「お風呂の汚れが落ちない」というものがあり、ウルトラハードクリーナー バス用は浴槽や床の皮脂汚れやぬめりなどを徹底的に落とせることが評価を得て人気商品となった。その結果、ほかのラインナップも注目されて、シリーズ全体の人気が上がっていると寺門さんは話す。 「ほかにも、ジメジメした夏の季節ならではの『カビ用』や『バス用防カビプラス』がこれからの時期におすすめです。ほかにもガスコンロ周りの油汚れには『油汚れ用』がぴったりです。また、『種類が多くてどれを選べばいいかわからない』という方には、家中の頑固な汚れを1本で解決できる『多用途』や、キッチン周りや衣類、水回りなどさまざまな場所をカバーできる『ウルトラオレンジクリーナー』がおすすめです。ぜひ一度手にとってみてください!」 なお、一般的な掃除用洗剤の購入層は主婦をはじめとした女性がメインだが、ウルトラハードクリーナーについては男女比がおよそ4:6と、他社商品に比べて男性比率が高いのが特徴。店頭動画ではテクニカルな商品説明を中心に行ったり、動画のナレーターに総合格闘技のナレーションで有名な立木文彦さんを起用したりなど、強さを意識したマーケティング戦略を行った結果ではないかと寺門さんは推測している。 ■「これからも掃除で"感動"を届けたい」 2015年に発売し、現在では大ヒット商品に名を連ねているウルトラハードクリーナー。これからリンレイが目指すのは、汚れを落とすことだけでなく綺麗さを保つことだ。今後の商品開発や展開について、寺門さんは以下のように話す。 「弊社はもともと床用のワックスやコーティングをずっと行ってきた会社です。ウルトラハードクリーナーの展開を全力で進める一方で、いかに掃除の頻度を減らして日々の掃除を楽にできるかに挑戦していく予定です。つまり、コーティングの技術を活かした綺麗さのキープですね。現在は撥水コーティングといった水回り用の商品では実現できているのですが、今後はお風呂やキッチンなど、さまざまな場面でも展開できるようにしていきたいです」 ウルトラハードクリーナーの成功に甘えることなく、新しい挑戦を続けていくリンレイ。これからの商品はどのようなものが登場し、私たちの掃除の文化をどのような形に変化させてくれるのか、今から楽しみだ。 最後に、山田さんに今後の展望について聞いた。 「開発者個人の思いとしては、『こんな頑固な汚れが落ちるんだ!』という、私が掃除で感じた感動をみなさまにお届けし続けられたらいいなと思っています。やっぱり、掃除がうまくできると日常に張り合いが出ると思うんです。ですので、掃除を通してみなさまの日常が少しでも豊かになってもらえればいいなと考えています。今後も、世の中に感動を与えられるような商品開発をしていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします!」 SNSで人気に火が付き、多くのユーザーの掃除に革命を起こしたウルトラハードクリーナー。人気商品となったのは、リンレイが高品質で超強力な洗浄力にこだわり続け、プロも認める実力のある商品づくりができたからだろう。今後も、リンレイが日ごろの掃除に変化と感動を与えてくれること間違いなし。これからの新しいコンセプトの商品にも期待したい。 取材・文=越前与