「老後2000万円問題」の根拠とは?生活防衛資金を含め老後”本当に”必要な資金はいくら?
老後に備えて貯金をすることは大切です。しかし実際に必要な貯金額は各家庭によって異なるため、目安を知りたい人もいるでしょう。まず貯金を始める際に確保したいものは「生活防衛資金」です。「老後資金」については「老後2000万円問題」という言葉を聞いたことがあるでしょう。しかし実際は、それ以上の金額が必要という声もあります。 そこで今回は、生活防衛資金を含めて老後に必要な資金はいくらなのか調べてみました。各家庭によって実際に必要な金額は異なりますが、目安として参考にしてみてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
生活防衛資金とは?
生活防衛資金とは、失業や病気、けが、災害など、不測の事態に備えて取り分けておくお金のことです。雇用保険から失業保険が出たり、健康保険から傷病手当が出たりしますが、申請後すぐに受け取れるわけではないため、緊急時に使えるお金を用意しておくと安心です。 生活防衛資金の目安は、一般的に給料の3~6ヶ月分だといわれています。例えば月給20万円の場合は、60万円~120万円を用意しておきましょう。生活費や老後資金の預金口座とは分けて管理し、緊急時にすぐに引き出せるようにしておくと安心です。 年齢によっては、これから「結婚」「出産」「マイホーム購入」などのライフイベントが発生する可能性があります。これらの資金も、生活防衛資金や生活費などとは分けて管理し、目的に合わせて確実に貯金ができるようにしましょう。
「老後2000万円問題」の根拠とは?
「老後2000万円問題」という言葉を聞いたことのある方もいるでしょう。これは2019年に金融審議会市場ワーキング・グループが公表した「高齢社会における資産形成・管理」をきっかけに話題になったといわれています。同報告書によると、老後2000万円が必要である根拠は以下の通りです。 「収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1300万円、30年で約2000万円の取崩しが必要になる」 これは持ち家の家庭を前提としていて、賃貸住宅の場合の家賃は含まれていません。また、支出については住宅リフォーム費用なども含まれていないため、実際にはさらに多くの資金が必要になると考えられます。