「老後2000万円問題」の根拠とは?生活防衛資金を含め老後”本当に”必要な資金はいくら?
老後に必要な資金をシミュレーション
老後に必要な資金は、各家庭の収支を基に計算するため、実際の金額はそれぞれ異なります。目安としては、老後に必要になると考えられる生活費と、年金の平均金額から計算できます。 公益財団法人生活保険文化センターの「生活保障に関する調査(2022年度)」によると、夫婦2人の老後の最低生活費は月額23万2000円、ゆとりのある生活を送りたい場合は月額37万9000円必要であるとのことです。 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老後に受け取れる年金の金額については以下の通りです。 ・厚生年金保険:14万4982円 ・国民年金(25年以上):5万6428円 例えば夫婦2人で夫が厚生年金、妻が国民年金を受給する場合、毎月の年金収入は20万1410円です。これを基に毎月の収支を計算すると、最低生活費は3万590円、ゆとりのある生活を送りたい場合は17万7590円が不足することが分かります。この状況が続いたと仮定すると、30年で1101万2400円~6393万2400円の老後資金が必要になると予想できます。 実際に必要な老後資金は、各家庭の生活費や年金収入によって異なるので、個々でシミュレーションをしてみるといいでしょう。
生活防衛資金は給料の3ヶ月~6ヶ月分が一般的! 老後資金2000万円では不足する可能性もあり
生活防衛資金は給料の3ヶ月~6ヶ月分が一般的なので、給料が20万円の場合は60万円~120万円を貯金額の目標にできます。年代によっては、これから「結婚」「出産」「マイホーム購入」などのライフイベントも考えられるため、まとまったお金が必要になる場合を考えて、別個に貯金をしておくと安心です。 老後資金については「2000万円が必要」といわれていますが、実際は各家庭の収支によって異なるため一概にはいえません。夫婦2人で年金収入が月20万1410円だと仮定した場合、生活レベルによって30年で1101万2400円~6393万2400円ほどの老後資金が必要になると考えられます。 生活防衛資金と老後資金の貯金を行う際は、自身の家庭の収支を計算して、実際に必要な金額をシミュレーションしておくといいでしょう。 出典 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(16ページ) 公益財団法人生活保険文化センター2022(令和4)年度「生活保障に関する調査」(2023年3月発行) 厚生労働省年金局 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(8、19ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部