小学生の娘が「友だちがみんな私立中学を受験するから受験したい」と言います。どのくらいお金がかかるのでしょうか? みんなと同じ私立のほうがよいのでしょうか?
みんなと同じ私立中学がよいのか?
先述のとおり私立中学校の1年間の学習費総額は143万6353円、3年間で約430万円です。一方、公立中学校の1年間の学習費総額は53万8799円、3年間で約162万円です。3年間で約268万円の差があります。 ちなみに、公立中学校の学年別の学習費総額は、第1学年53万1544円、第2学年44万3848円、第3学年64万925円となっています。また、学習費総額の内訳(学校教育費・学校給食費・学校外活動費)のうち、構成比が一番高いのは学校外活動費(68.4%)です。 学習費だけを比較すると、私立中学校と公立中学校では大きな差があります。「私立中学校のほうがよい」というためには、お金以外の面で私立中学校に進学するメリットがあるかどうかで考える必要があります。 一般に、私立中学校に進学するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。 ・教育方針がしっかりしている ・施設・設備が整っている ・大学入試を見据えた中高一貫のカリキュラム ・先生の異動が少ない 私立中学校のほうがよいかどうかは、一概にはいえません。上記のメリットを得られるようであれば、私立の中学校に進学させることを検討してもよいでしょう。 そのためには、親子でしっかりと話し合うことが大切です。私立の中学校に進学するかどうかだけでなく、私立であってもどこの中学校に進学するかということを、話し合う必要があるのではないでしょうか。
まとめ
文部科学省の「令和3年度子供の学費調査」によると、私立中学校の1年間の学習費総額は143万6353円であり、3年間で約430万円かかります。公立中学校と比較すると、1年間で約90万円、3年間で約268万円の差(ともに私立中学校のほうが多い)があります。 費用以外の面に目を向けると、私立中学校に進学するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。 ・教育方針がしっかりしている ・施設・設備が整っている ・大学入試を見据えた中高一貫のカリキュラム ・先生の異動が少ない 子どもを私立中学校に進学させるのがよいかどうかは、上記のようなメリットを得られるかどうかで判断するのが妥当かと思います。もし、単に「友だちが行くから」という理由だけで私立中学校への進学を考えているのならば、再検討の余地があるのではないでしょうか。 結局のところ、親子でしっかりと話し合っていただくのがよいということです。そのうえで、子どもにとって最善の進路だと思うのであれば、進学させてあげたいものです。ただ、資金面について不安があるかもしれません。そのようなときは、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもよいのではないでしょうか。 出典 文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査 執筆者:中村将士 新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定)宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
ファイナンシャルフィールド編集部