【MotoGP】し烈な王者争いのMoto3クラス 日本GP実況の澁谷善ヘイゼルアナが熱く伝えます
■期待される佐々木歩夢のシーズン初優勝
昨季は2度の優勝を含め9度表彰台に立ち、ポイントランキング4位で終えた佐々木選手。その活躍は、日本人としては1998年の坂田和人さん(日テレジータスMotoGP中継解説者)以来となる軽量級の世界チャンピオン獲得へ期待が膨らむ内容でした。佐々木選手自身もシーズン前にMoto3クラス制覇へ、自信をのぞかせる言葉も残していました。 しかし、佐々木選手を待ち受けていたのは予期せぬシーズン序盤の苦戦でした。2度のノーポイントを含め開幕から3戦で獲得したのは、わずか10ポイント。 初表彰台は5月中旬の第5戦フランスGPでの2位と、ライバルから大きく出遅れることになりました。 予選ではベストタイムを幾度となく記録するなど決して調子が悪いわけではない中、決勝で結果がついてこなかった佐々木選手。 しかしこのフランスGPでの2位表彰台が佐々木選手のスイッチを入れるきっかけとなりました。この表彰台を皮切りに6戦連続表彰台というパフォーマンスで圧倒的な存在感を示したのです。 ポイントリーダーのオルガド選手やランキング上位のマシア選手がノーポイントでレースを終えることもある中、佐々木選手は第13戦インドグランプリまで10レース連続7位以内、表彰台に7度上がり、現在173ポイント。瞬く間にポイントランキング3位に立ち、見事チャンピオン争いに加わってきたのです。 しかし他のポイントランキング上位陣と比べて唯一、佐々木選手が見劣りするのが今シーズン優勝できていない点です。オルガド選手やオンジュ選手、マシア選手といったライバルは今季既に2勝以上あげています。 ラストラップの最終コーナーまで先頭を走る佐々木選手の姿を今季は何度も目の当たりにしてきましたが、最後の最後、あと一歩のところで優勝を逃してきました。 それでもシーズン初優勝を日本GPで達成すれば自力でポイントランキングトップに立てます。今週末の日本GPでは大勢のファンの皆さんから声援とパワーを「モビリティリゾートもてぎ」に届けていただきたいです!