関西で話題の「なにわ筋線」ってどんな路線なの?
最近、関西で話題になっている鉄道路線があります。それが「なにわ筋線」です。鉄道路線といっても、まだ計画段階で建設も始まっていないのですが、これだけ注目されているのはなぜなのか。ここでは、なにわ筋線とはどういう路線なのかを見ていきましょう。 【拡大写真付き】大阪・地下鉄民営化に向け準備会社を6月に設立
35年前から計画、だが費用面で進まず
なにわ筋線とは、文字通り大阪にあるなにわ筋の下を走る路線です。ここに鉄道を走らせようという構想は、今から35年ほど前、1980年代中ごろからありました。 具体的に計画が動き始めたのは2004年です。国土交通省の諮問委員会である近畿地方交通審議会が発表した答申で、「中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」のひとつとしてなにわ筋線を挙げました。 ちなみに、同時に挙げられた路線としては、2020年度の完成を目指して昨年延伸工事が始まった北大阪急行線(千里中央~新箕面<仮称>)や、2019年度の工事着手を目標に準備が進められている大阪モノレールの延伸(門真南~瓜生堂<仮称>)、また大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線や今里筋線の延伸などがあります。 なにわ筋線はその後も議論が進められ、2009年には金子一義国交相(当時)が、関西空港へのアクセス整備の一環としてなにわ筋線の整備を「地元自治体や関係事業者とも連携して検討を進める」と、国のビジョンを示しました。 しかしながら、これ以降議論は停滞します。その原因の一つは、3000~4000億円と言われた巨額の建設費。経済の停滞期だったこともあり、事業化に踏み切れない状況が続きました。風向きが変わったのは2013年ごろ。関西空港を利用する外国人の数が史上最高を記録し、さらに増え続ける中、なにわ筋線の早急な整備を望む声が増えました。 これを受け、大阪府と大阪市、そして運営会社となるJR西日本と南海電鉄の協議が進展。今年の5月23日には、前述の4社に阪急電鉄を加えた5社が、「なにわ筋線の整備に向けて」という文書を発表しました。