2024年4月の「負債1,000万円未満」倒産 40件 3カ月ぶりに前年同月を上回り、40件台が続く
【形態別】消滅型の破産が9割超
形態別は、破産が39件(前年同月比30.0%増)で、2年ぶりに前年同月を上回った。構成比は97.5%(前年同月90.9%)で、6.6ポイント上昇した。 負債1,000万円未満は、小・零細企業がほとんど。そうした企業では、資金的な余力が乏しいだけでなく、人的リソースの確保もできず、経営再建や事業再生のために取り組むことが難しい。そのため、業績回復が見込めず事業継続が困難となった場合、債務整理のために破産を選択するケースが多い。
【原因別】販売不振が半数以上
原因別は、最多が「販売不振」の22件(前年同月比21.4%減)で、2年連続で前年同月を下回った。構成比は55.0%(前年同月84.8%)だった。また、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」は、前年同月と同件数の1件だった。 「不況型倒産」(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は23件(前年同月比20.6%減)で、2年連続で前年同月を下回った。構成比は57.5%(前年同月87.8%)で、4月では2010年以降の15年間では2016年(53.8%)に次いで2番目の低さとなった。 このほか、「事業上の失敗」6件(前年同月ゼロ)と「他社倒産の余波」5件(前年同月比400.0%増)で4年ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。 小・零細企業は、一度、業績不振に陥ると、その状況から抜け出すことが難しい。さらに、資金繰りにも余裕がなく、経営再建や事業転換に取り組むことができず、倒産に至るケースが少なくない。
【資本金別】1千万円未満が9割
資本金別は、1千万円未満が37件(前年同月比23.3%増)で、2年ぶりに前年同月を上回った。構成比は92.5%(前年同月90.9%)で、1.6ポイント上昇した。 内訳は、「1百万円以上5百万円未満」が16件(前年同月比14.2%増)、「個人企業他」が14件(同27.2%増)、「1百万円未満」が5件(同66.6%増)、「5百万円以上1千万円未満」が2件(±0.0%)だった。 このほか、「1千万円以上5千万円未満」は前年同月と同件数の3件。また、「5千万円以上1億円未満」が2018年以降、「1億円以上」が2012年以降、それぞれ4月では発生がない。